天安艦事件発生から100日、国連安全保障理事会への提訴から1ヶ月がたったが、中国、ロシア共に依然として『北朝鮮擁護』の立場を維持しており、韓国政府の当初計画の国際社会が一致した対北非難が頓挫するとの展望が出てきている。
中国も一時は対北措置に参加するとの報道が行われ、G8首脳会議共同声明よりも引き下げたレベルの合意決議が出されるという期待感が広がっていた。
G8声明は「韓国海軍将兵46人が犠牲になった天安艦沈没を招いた攻撃に憂いを表し、北朝鮮の責任を明確にした民軍合調団の調査結果を尊重し、この攻撃を非難する」という内容で、韓国政府もこの水位の安保理声明で十分という雰囲気であった。
しかし、中国は依然として『北朝鮮』、『攻撃(attack)』という表現の使用に反対しており、『事件(incident)』とするべきだと主張している。
米国は中国に向け参加要請を引き続き行っている。クローリー米国国務部公報担当次官補は1日(現地時間)の定例ブリーフィングで、「挑発行動を容認してはならないという点を、北朝鮮に明確に訴える声明が国連安保理から出される望む」と明らかにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中国は事件発生以来一貫した立場を堅持しており、先月27日のG20首脳会議で開かれた米中首脳会談ではオバマ大統領が中国の参加を強く促していた。しかし、中国はこれに応じてはいない。
常任理事国の中国が反対する場合、声明の発侮ゥ体が不可能となり、韓国政府が安保理理事国に提示した北朝鮮を指定、糾弾・非難、謝罪・補償、再発防止、責任者の処罰など5項目の中の1項目も盛り込む事が出来なくなる恐れがある。
中国だけでなくロシアの説得も難航している。韓国現地で沈没原因調査を行ったロシア専門家の最終報告書が差し迫った中、ロシアのインターファックス通信は、ロシア調査団が艦体等の証拠を全て検討したが、天安艦沈没が北朝鮮の犯行を確証するには不十分だと報道していた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中露の反対によって、安保理合意の失敗や北朝鮮の犯行を明示できない曖昧な声明書が出される可能性が高まっている。
これに対しユン・ドクミン外交安保研究院教授はインタビューで、「国連の国「的限界だ。これまでも国連で南北当事者間問題に対する決議案は出された事が無い」と話した。
「安保理声明や議長声明の結果によって外交の成否を評価するのは無意味だ」と話した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ただし、中国にとって天安艦事件で北朝鮮擁護を持続する場合、負担にならざるを得ず、地道な説得努力を継続する事で、北朝鮮の建設的な役割を導きだす必要があると同教授は主張した。
「責任ある国家の役割が要求されている中国にとって、天安艦事件は明らかな外交的損失だ。中国が明確な立場を取り、実質的で建設的な役割を果たす契機にする必要がある」と発言した。
また、米国は安保理の対北措置とは別に金融部門などの独自制裁を検討している。ブッシュ政権時に行ったマカオのバンコデルタアジア(BDA)をマネーロンダリング疑惑銀行に指定した様な特定銀行に対する措置でない、北朝鮮の金融取り引きを制限する為の基準作りを行っている事が明らかになった。