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北朝鮮の運転手らが、事業用の車(ソビチャと呼ばれる)で品物を運び、一種の個人警護員を雇って、軍隊の略奪行為に備えていることが伝えられた。

昨年2月に国内に入国した脱北者、キム・キョンミン(仮名)氏は24日、“最近、道路をふさぐ軍隊が、運転手たちが雇った青年たちに殴られることがよくある”と言い、”以前は考えも及ばなかったが、卸売りで品物を運ぶソビチャの運転手たちが、自分の財産を守るためにこうしてボディーガード(警護員)を雇っている”と語った。

市場が活性化し、ソビチャの運転手がトラックに品物を沢山積んで、地方の道路を運転することが増えると、軍人たちの略奪行為も頻繁になり、個人警護員という保護措置を講じているという。

キム氏は“以前は運転手たちが国家の車を運転していたので、やられてばかりだった。だが、今では事情が異なる。運転手たちが車を買い、工場や企業所に登録して商売をするから、2~3人の警護員を連れて行き、積極的に防衛している”と言った。

キム氏によれば、運転手たちが雇う’ボディーガード’は、人民軍の特殊部隊出身で、テコンドーや撃術が得意で、1人で2、3人は簡単に「処理」できるそうだ。

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キム氏は”去年、平壌のヒャンサン高速道路で、軍隊が通りの真ん中に荷物をおいてソビチャを待っていると、やってきた運転手が前の車から落ちた荷物だと思って車を止めたが、軍人3、4人が現われて、品物を出すようにと言って脅した。その時、運転手が雇った青年たちが彼らを瞬く間に処理したという。この話を聞いた商人や運転手はすっきりした気分だった”と語った。

脱北者同志会のイ・ヘヨン事務局長は、”昔から地方で軍隊が脱穀場のとうもろこしや民家の家畜を盗むことは頻繁だった”と述べ、”住民が自分の財産を守ろうとする意識が強まったようだ”と説明した。

こうした住民たちの対応は、人民軍の権威が墜落した現実を反映するものであるという意見もある。

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北朝鮮では食糧難以後、政権機関に勤務する人たちの腐敗が甚だしく、軍人による民家の略奪行為がはびこった。住民の間では、人民軍は’品物を奪って、狼藉を働く集団’という認識が広まっていた。

去年8月に、日本のある放送局が、黄海北道の沙里院市近郊の道路上で、運転手が車の窓ガラスを割った保安員とつかみあいをしている映像を公開している。これを見た脱北者たちの多くが、”以前は想像できなかった”と言った。

配給制が崩壊し、個人主義と所有意識が拡散した結果という見方もある。北朝鮮の住民たちも、過去とは違って、政権機関や軍隊にぺこぺこせずに、自分の権利を主張し始めているようである。