今年3月中旬に中国の瀋陽で逮捕され、北朝鮮への強制送還の危機に瀕している脱北者8人が、いまも中国にいることがわかった。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)アジア局のフィル・ロバートソン局長代理は、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、脱北者8人は逮捕後、北朝鮮に強制送還されず、勾留され続けていると明らかにした。
ロバートソン氏は、中国の公安当局が彼らの身柄を国境地帯に移動させるなど、北朝鮮に強制送還する動きを見せていないことを歓迎すべきことだとし、彼らは最終目的地に安全にたどり着けるだろうと、注意しつつも楽観的に考えていると述べた。
中国の公安当局は通常、逮捕した脱北者を2ヶ月以内に北朝鮮に強制送還する。
(参考記事:中国で「アダルトビデオチャット」を強いられる脱北女性たち)今回はその期間を過ぎても動きがないことから、8人が最終目的地、つまり韓国に入国できる可能性が高まったとHRWは見ているものと思われる。