人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮では2006年からウサギの飼育が大々的に行われているという。労働者と農民はもちろん、生徒、学生に至るまで、1人当たり1年にウサギの皮4枚を国に供出しなければならないという方針が下されたからだ。

方針が下された後、北朝鮮は一部の一般農場をウサギ牧場に変えた。ウサギ牧場を作るのに軍部隊まで動員した。平壌の場合、平壌市の郊外にある江東(カンドン)郡、勝浦(スンホ)区域、江南(カンナム)郡、祥原(サンウォン)郡などにウサギ牧場が建設された。1つの村に7~8個のウサギ牧場ができたという。

個人は各家庭でウサギを飼育して、国に供出しなければならないが、その時間がない場合には、市場でウサギの皮を購入して国家に納めなければならない。このため、市場で800北朝鮮ウォンだったウサギの皮が4000〜5000北朝鮮ウォンまで急騰したという。

北朝鮮国民が国に供出しなければならないのは、ウサギの皮だけではない。労働者と農民1人が1年間に、砂金0.35グラム、犬の皮(4人家族で1枚、1枚当たり1万8000〜2万北朝鮮ウォン)、ウサギの皮4枚、豚肉(一世帯当たり35キロ)、トウモロコシ10キロなどだ。

トウモロコシは、金正日氏が食する雉肉の生産に使われる。北朝鮮の人々は、雉の餌を「1号飼料」と読んでいる。個人個人に割り当てられた砂金、動物の皮、飼料、肉などのノルマは、国に収める税金ではなく、金正日氏という「王様」に捧げる品物だ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

土地とそこで生産されたものは、本質的に王の所有物というのが、中世社会の所有観念だった。民も原理的には王が所有するものだった。こうした中世の所有観念は、その時代の倫理と法の根幹になり、民が王に一番珍しい品物を進上することは、世の中の万物に対する所有権を持つ者の当たり前の権利だった。

階級社会が崩れて、民主主義社会に移行し、進上品は消えた。国家共同体の構成員であると同時に、共同の主人である個人が、国家共同体を運営するための費用、すなわち税金が、それに取って代わった。ところが、身分と階級が消えたと自ら誇る北朝鮮社会にはまだ、‘進上品’が残っている。自分の子供に食べさせる肉もない人々が、首領に肉と皮を捧げなければならない‘王の奴隷’制度が残っている。

北朝鮮社会に1日も早く民主主義と市場経済が導入されて、北朝鮮の住民が金正日個人の所有から脱して、国家と自分の運命の堂々とした主人に生まれかわることを願っている。