北朝鮮が韓国政府が金剛山観光の再開を引き続き行わないでいるのに対し、4月から新たな事業者を選定し事業を再開するとの‘最終通告‘を行った事で、観光問題が南北関係悪化の原因となっていると注目されている。
北の朝鮮アジア太平洋平和委員会は18日、統一部と現代牙山への通知文で「金剛山地区内の韓国側の不動産所有者、関係者は25日までに金剛山へ訪問せよ」と要求した。
韓国側が所有する不動産への調査を実施すると言う事だ。
この様な強硬姿勢は既に予想されていた事だ。平和委員会は4日の談話で「南朝鮮当局が観光事業再開を難癖を付けて塞ぎ続ける場合、我々は特段の処置を取らざるを得ない」と表明していた。
同委員会は特段の処置と関連し、「南側へ特例として与えた観光事業とこれに関連する全ての合意、契約を破棄し、地区内の南側の不動産を凍結するなども行う」と発言していた。
しかし北の通告文には不動産所有者を招集する目的を『不動産の調査の為』とあり、直ちに凍結等の具体的な行動を実行する可能性は低いと思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面金剛山地区内の韓国側事業者の不動産状況を知らないはずの無い北が捜査を行うと主張した背景には、韓国政府に対する建前との分析だ。
今回の通告は観光事業の全面中断、不動産の凍結等の不安感を煽り、韓国政府を圧迫しようとする思惑が込められている。不動産調査団にはアジア太平洋平和委員会、内閣関係者、軍関係者等も含まれており、分析結果に信ぴょう性が増している。
専門家らは観光事業再開への圧力と判断している。また契約破棄よりも妥協点を探る可能性が高いとの意見と反対意見とが分かれている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ドン・ヨンスン サムスン経済研究所経済安保チーム長は本紙との電話インタビューで、「北は基本的に金剛山観光、開城工団等の南北交流事業は南へ恩恵を与え、交流の中断は南が損をすると考えている。北の立場からすれば不動産没収は恩恵を与えないだけ」と話した。
同氏は「開城工団の出入制限、北の労働者人件費の300%アップ等から考えた場合、事業契約の破棄は大したことではない。北が予告した通り、手続きを行う可能性が高い」と明かした。
また所有者招集通告は「民間企業を通して観光事業再開の圧力をかける為」と予想した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方、オ・ギョンャ盗「宗研究所研究委員は「北の立場上、両観光事業が中断に追い込まれるのは非常に大きな負担である。決裂状況に持ち込む可能性は低い」と話した。
また「今回の招集は韓国政府への圧迫であり、今後追加的な圧迫を通じて韓国政府の出方を伺い妥協点を探るだろう」と予測した
続いて「この様な崖っぷち戦略は北の対南外交の伝統であり、現政権が掲げている正しい南北関係の為にも原則的な対応が必要だ」と要求した。
韓国政府が観光事業再開へ明確な立場を表明しており、南北関係の硬直化は避けられないと思われる。
北の通告に対し統一部は「南北当局の合意を違反しており、国際慣例にも違反しており誠に遺憾である。合意に従う事を要求する」と表明した。
また「金剛山地区内の韓国政府所有の離散家族面会所に対する調査に応じることは無い」とし、接触の可能性を否定した。
2008年7月の金剛山での観光客射殺事件で亡くなったパク・ワンジャ氏や、137日間抑留された開城工団労働者のユ・ソンWン氏の事例などから、観光再開には北が身元の完璧な安全を保証するべきとの主張は正当な判断だ。
これに反し金正日が韓国側の事業者の現代グループ会長と面会し、安全確保の約束を交わしたことで追加措置は必要ないとの立場を貫いている。
金剛山・開城観光の再開での南北間の最大の焦点は『身元安全の保証』だ。安全保障に対する合意を達成したとして、『観光事業の見返り』問題が観光事業への足かせとなるのは必死で、事業再開への道のりは遠いとの専門家の意見が大半を占めている。