国連のウィティット・ムンタボーン北朝鮮人権特別報告官は15日(現地時間)、「国連安保理が北朝鮮政府から不当な待遇を受けている住民の保護に乗り出す時期に来ている」と話した。
ムンタボーン報告官はこの日の国連人権理事会で北朝鮮人権状況に関する最終報告書を提出し、「残念ながらあらゆる面で北朝鮮の人権状況は非常に悪化し続けている。残酷で悲惨な人権侵害が行われている」と訴えた。
続いて「国連システムのトップであり、国際刑事裁判所が人権侵害問題を扱えるようにできる権限を持っている安保理が、これまで北朝鮮の人権改善のために動いていない。北朝鮮の住民が制度的で大規模な人権侵害に露出されている。北朝鮮政府が彼らを保護する意志がない場合、どうすればいいのか。私は少なくとも国連がまず手を差し伸べるべきだ」と話した。
北朝鮮人権改善のために必要な措置として、ムンタボーン特別報告官は▲住民が自ら食料作物栽培し売買を許可、▲死刑、特に公開処刑を中断、▲北朝鮮に送還された脱北者の処罰を中断、▲拉致被害者の真相究明に協力、▲国連人権特別報告官の訪朝の許可などを提案した。
その後、国連のヨーロッパ本部で開かれた記者会見で「北朝鮮が農業部門を長期的に統制する為、昨年小規模の農業を中止させ市場も閉鎖させた。この影響で食糧事情がさらに悪化している」と訴えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、「軍隊による食糧の徴用も農民の生活を苦しませており、飢餓問題を起こす一因となっている。上層部の人は贅沢な生活をしているが、一般住民はお粥とトウモロコシなどでやっと生きている」と付け加えた。
ムンタボーン特別報告官は「貨幣改革によって深刻なインフレが発生し、住民からの強い反発に直面しているため、北朝鮮政府は閉鎖させた市場の一部を再開しようとしている」と主張した。
これについて北朝鮮の代表団は「特別報告官は人権とは関係のない政治対決や謀略の産物だ。特別報告官とその報告書が断固として排撃する」と反発した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面駐ジュネーブ北朝鮮代封能のチェ・ミョンナム参事は「特別報告官は日本、アメリカ、EUの立場に立っており、これらの利益を対弁するために働いている者にすぎない。全ての国を公平に扱う普遍的な定例検討制度が稼動している状況で、特定の国を選んで問題視する特別報告官制度がある自体が合理的ではない」と主張した。