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4月15日は金日成主席の105回目の生誕記念日(太陽節)だ。北朝鮮では「民族最大の名節」として様々なイベントが行われる。そして、この日は単なるお祝いにとどまらず、政治的にも非常に重要な意味を持つ。

金正恩党委員長は、北朝鮮の人々が金日成主席に対して持つ「懐かしみ」を利用して、自らを白頭の血統の正式な継承者としての立場をより強固なものにしようとしている。ところが、この「懐かしみ」が以前ほどではないというのだ。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、太陽節が近づきつつあるが、金日成主席の銅像に捧げる花を自らすすんで育てようとする人はあまり見かけない。学校の生徒たちは、いやいや動くような状況だ。

「自分の食い扶持は自分で稼がなければならない時代なのに、そんな行事に誰が興味など持つか」(情報筋)というのが、今の北朝鮮の人の本音だという。

中でも「チャンマダン(市場)世代」と呼ばれる若者たちは、金日成主席に対して思い入れがないという。配給システムが崩壊した90年代に生まれ、国から食料を受け取った経験を持たないため、金日成主席をありがたい存在だと思っていないのだ。市場で商売して生きている若者たちは「資本主義こそが我が首領様」と考えているという。

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このような意識の変化は、外国からの情報の流入と、市場化によるものが大きい。密輸業者や華僑から伝わる口コミや、韓国や米国のラジオで情報を確保し、それを市場で誰かに話して、全国に広がる。2月にマレーシアで起きた金正男氏殺害事件に関する口コミで、金正恩氏の生い立ちの秘密を知った人も多いという。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋も次のように語る。

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「金日成主席が亡くなった1994年には、皆が皆、心から悲しんだが、もはやその涙も乾いた。当局のプロパガンダを本気で信じているのは、年寄りや山奥に住む人ぐらいで、外国からの情報に接している人々は、当局が何を言っても耳を貸そうとしない」

さらに、脱北して韓国に暮らす人々からの情報も、北朝鮮に残された家族を通じて広がり、「ああ、何も知らずに生きてきたんだな」と悟る人が増えている。

今まで北朝鮮の人々は、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を引き起こした金正日総書記のことはよく思っていなくても、金日成主席の時代には貧しいながらそれなりの暮らができたため、評価は決して悪くなかった。ところが、最近は「金日成主席が元凶だ」と考える人が徐々に現れつつある。

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ロシアに出稼ぎに行った人々は、こんな話をしているという。

「80年代まで何とかやっていたのは、ロシアからの借金のおかげで、なにがし(金日成氏)のおかげではない」

「(ロシアや東欧など)社会主義の国が潰れた後で苦難の行軍がやって来たのだから、あの人(金日成氏)にも責任がないわけではない」

「父親が借金をしてまで宴会につぎ込むのを見守るだけだった金正日氏は、人民が次々と死んでいくのに、国のカネをため込んで息子(金正恩氏)に相続させた」