韓国政府が先月、南北首脳会談など南北関係の懸案について北朝鮮と2度にわたり秘密裏に接触をしたが、国軍捕虜・拉致被害者の送還や対北食糧支援、北朝鮮の核問題などに対する立場の違いを縮めることができず、成果をおさめることができなかったと伝わった。
与党側の対北消息筋によれば、北朝鮮は8月に金大中元大統領が逝去した時に、労働党のキム・ヤンゴン統一戦線部長一行を特使弔問団として派遣した後、南北首脳会談の意思について打診してきたという。
これを受けて、韓国のイム・テヒ労働部長官が10月中旬にシンガポールでキム・ヤンゴン部長に会い、南北首脳会談について議論し、11月7日と14日に2回、開城で韓国・統一部の関係者が北側と交渉したと伝わった。
南北間接触で北側は首脳会談を北朝鮮で行うと伝え、金剛山や開城観光の再開と南側の大規模な食糧支援を条件にあげたが、南側は金正日のソウル答礼訪問という原則を譲歩する代わりに、国軍捕虜と拉致被害者を数名送還するよう主張したという。
だが南北は首脳会談以後、南側に行く国軍捕虜と拉致被害者の数と、それに対する経済的代価などに対する立場の差を縮めることができず交渉は決裂したという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面東亜日報は21日、「2012年の『強盛大国』の大門を開く年を控えて、南側の大規模経済支援を狙って会談の成功を指示した金正日総書記は、会談が最終的に決裂した後、キム部長を呼んで3時間以上ひどく叱責したと伝わった」と報じた。
11月中旬以後、北朝鮮の宣伝媒体がヒョン・インテク統一部長官の実名をあげて「反統一分子」などあからさまな非難を続けているのは、こうした南北交渉の決裂に対する「腹いせ」のためという観測も出ている。
一方、南北関係の主務部署である統一部はこうした内容を公式に否認した。統一部のホン・ヤンホ次官は21日午前にラジオプログラムに出演し、「(11月の南北間接触について)そのような報道はあったが、接触はなかったと言われている」と明らかにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面統一部のチョン・ヘャ燈?ケ官もこの日のブリーフィングで、「統一部の幹部が開城で北朝鮮側と接触した事実はないということが数回明らかにされている」と語った。
チョン報道官は南北首脳会談の推進に対する統一部の立場を問う質問には、李明博大統領が先月27日に「大統領との対話」で明らかにした立場で代わりにすると直答を避けた。
李大統領は先月、「南北首脳会談が北朝鮮の核放棄の役に立つのであれば、また人道主義的立場から国軍捕虜や拉致被害者の問題を互いに話し合い解決することができるのであれば会うことができる」と明らかにしていた。