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英国政府は、対北朝鮮制裁の一環として、自国内にある北朝鮮国営の保険会社の支社を閉鎖する措置を取り、職員2人を事実上国外追放した。韓国のKBSが報じた。

閉鎖されたのは北朝鮮国営の「朝鮮民族保険総会社」(KNIC)のロンドン支社だ。英財務省は、同社の承認を取り消し、預金50億ウォン(約4億6000万円)を凍結、建物も押収した。さらに、職員2人のビザ更新を拒否し、事実上の国外追放処分とした。

英財務省は今年4月、対北朝鮮制裁の一環として、KNICの平壌本社とロンドン支社の英国内の資産を凍結し、金融取引を禁じた。

それに伴い、営業活動ができなくなっていた。また、EUもハンブルク支社に対して同様の措置を取った。

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同社は、金正恩政権の資金を管理する労働党39号室との関連が指摘され、核兵器やミサイル開発の資金となっていたとの判断によるものだ。

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KBSの記者は、支社のあった建物を訪れ、英国駐在のヒョン・ハクポン北朝鮮大使や保衛部(秘密警察)の要員の連絡先が書かれた機密書類を発見している。シュレッダーなどで廃棄処分する暇もなく、大慌てで会社を閉めたことが伺える。

KBSはさらに、KNICが詐欺的な手法で、海外の保険会社から保険金をだまし取っていたと報じている。

北朝鮮当局は、国内のすべての工場、企業所を同社の保険に加入させ、外国の保険会社に再保険をかけた。同社はその上で、災害や事故による被害を報告し、保険金を請求を行った。

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問題は、再保険を引き受けた会社が現地調査を行おうとしても、北朝鮮当局が拒否。その上で、北朝鮮の裁判所によるきわめて不透明な被害額の算定がなされていたことだ。そうした手続きにより、北朝鮮は数年前までに、総額2億8000万ドル(約282億8000万円)の保険金を得たという。