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韓国に入国した脱北者が経済的に自立するために、この人たちの労働能力を向上させるためには、肉体的・精神的な疾病の治療が何よりもまず必要だという主張が出た。

韓国・大邱大学社会福祉学科のキム・ヨンヒ教授が2日、国家人権委員会と北朝鮮移住支援センターが主催して、ソウル・サムチョン洞所在の北韓大学院大学で開いた『北朝鮮離脱住民2万人時代特別企画シンポジウム』で、「様々な暴力と外傷に起因する精神の健康の問題だけではなく、後遺症によるアルコール依存症などの中毒行動が自活能力に及ぼす影響が大きい」と主張した。

また、「1990年代半ばの食糧難の時期に子供だった最近の脱北者の健康状態が劣悪だ。ハナ院を出た後地域社会で生活している間の栄養や疾患管理などの問題から健康がさらに悪化して、勤労無能力者になるケースが増えている」と指摘し、脱北者の健康管理の必要性を強調した。

さらにアメリカの難民支援システムを紹介して、「アメリカのケースを見ると、肉体的健康と精神的健康に対する介入を早期に積極的に行い、自立の障害になっている要素を除去するために治療による介入が行われている。これは必須なことだ」と強調した。

キム教授は「現在、北朝鮮を離脱した女性の流入が多いのは、貧困に弱い人口が多いことを意味している。幸いなことに、この人たちは20〜30代に集中していて、女性で高齢者という二重の障害にさらされているケースはない。だが、幼い子供がいる女性が多く、その大半が非経済活動人口として残るケースが多い」と話した。

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それ以外にも、「人材資本に対する投資も重要だ。特に、児童・青少年が学校に適応することを支援する多様な心理・社会・教育支援サービス、中途脱落をするためのプログラムなどは、父親から子供へと貧困が受け継がれるのをするための最も重要な貧困政策」と説明した。

釜山大学社会福祉学科のイ・キヨン教授は、「アメリカは難民の受け入れと定着を許可してから、難民の雇用と経済力をつけることに集中している。最近、連邦政府難民定着事務所(ORP)が、難民の経済的自立のためのタスクフォースチームを構成した。韓国も北朝鮮離脱住民の定着支援において、自活と自立を優先的に考えている」と説明した。

しかし、「韓国の場合雇用の質が良くないため、アメリカのような早期自立政策に効果があるかどうかは議論の余地がある。北朝鮮離脱住民の多くが、韓国に入る前からブローカーから借金をしている。そのため、実質的な経済状況がさらに悪いケースが多い。家族を韓国に連れてくるためにはお金が必要であり、収入に対する欲求が非常に高い。こうした状況で雇用の成果をあげるのは難しい」と指摘した。

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また、「韓国の場合、所得と政府からの支援を同時に維持する傾向が強い。そのため、就職を通じて勤労所得の保全と上昇が可能になるように制度を見直し、就職の機会を増やす就職支援プログラムを強化すべきだ」と提案した。

脱北者定着支援システムと関連しては、「定着支援の地方化を実行できるようにすべきだ。そのためには、中央政府と地方自治体、民間機関の連携と協力を強化しなければならない。予算の配分や業務の分担を効率的に行うべき」と主張した。

これについて統一研究院のイ・クムスン先任研究委員は、「北朝鮮離脱住民の規模は地域によって大きな差が見られるが、定着した地域に関係なく、標準化されたサービスが提供できるように制度を整える必要がある。中央政府が政策に関心を持ち制度の見直しは行われているが、地域が関心を持つことも必要」と話した。