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一時期は北朝鮮の外貨稼ぎの有力手段だった「絵画ビジネス」が岐路に立たされている。描いても描いても売れなくなってしまったのだ。営業担当者が中国各地のギャラリーに営業をかけても、反応はイマイチだという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中朝国境の都市、遼寧省丹東には観光客相手に北朝鮮絵画を展示販売するギャラリーが数多く立ち並んでいたが、現地の情報筋によると、その多くが閉業に追い込まれたという。

韓国政府が同地への渡航自粛を呼びかけたことで、上客だった韓国人観光客が激減したことが主な原因だが、中国市場での人気も急落している。北朝鮮の貿易会社は、コスト削減のため「大量生産」に乗り出したが、これがさらに評価を押し下げる結果となってしまった。

北朝鮮絵画を扱うギャラリーのオーナーは次のように語る。

「以前は、北朝鮮にいる画家が描いた絵を中国に輸出して売る形だったが、北朝鮮の貿易会社は、画家を中国に連れてきて、合宿させて、絵を大量に描かせるようになった。ところが、描かれるのは白頭山、金剛山、九月山、七宝山など山の風景画ばかり。大量生産なので個性が感じられず、愛好家に飽きられてしまった。営業担当者がギャラリーを回って売り込みをかけているが、一向に売れない」

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一方で中国メディアには、現実とかけ離れたヨイショ記事が数多く掲載されている。

中国では、北朝鮮の絵画を展示販売するイベントが繰り返し行われてきた。この2ヶ月だけでも北京、河北省石家庄、江西省南昌、山東省高密などで開かれているが、江蘇省徐州の徐州美術館で開催された「惟美無界・当代朝鮮油画精品巡展」について、現地の夕刊紙、彭城晚報は9月9日の記事で次のように報じている。

「多くの芸術愛好家が鑑賞した朝鮮の絵画は、レベルの高さに比べ手頃な価格に魅力を感じる人も少なくなく、個人の愛好家から企業まで購入する側も様々だ。あるビジネスマンは風景画を20万元(約308万円)の現金払いで購入した」

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一方、北京商報は9月1日の記事で、北朝鮮絵画の価値を次のように説明している。

「北朝鮮の絵画の中国での認知度が高まるにつれ、投資価値も価格も上昇し、展示会では毎回最高価格を更新している。中国絵画に比べると価格が手頃なので、ポテンシャルは大きく、『芸術の金鉱』と呼ばれている」

中国メディアが北朝鮮の絵画を持ち上げる理由は定かではないが、開催に地元政府や共産党、系列の企業が絡んでいることと関係がありそうだ。いずれにせよ、こんな記事に騙されて粗製乱造された絵を買わされる中国の消費者は気の毒だ。

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ちなみに、作者の死後50年経てば国際条約で複製が認められることを利用し、世界的名画の複製画の6割を生産していることで知られている広東省深センの大芬油画村では、1作品100元から500元(約1540円〜7700円)という安さで購入できる。