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中国と北朝鮮を結ぶ交通の要衝「鴨緑江大橋」の長期補修工事が延期されたことが明らかになった。北朝鮮の繰り返しの延期要求を中国が飲んだ形だが、橋をめぐる両国の意見は対立したままだ。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、補修工事は8月20日から40日間行われる予定だったが、工事開始を目前にして延期された。

工事は中国当局が行うことになっているが、北朝鮮当局は「貿易に支障が出る」との理由で、工事開始の延期を要求していた。同時に北朝鮮は、工期の短縮、つまり「速度戦でやれ」と要求している。

中国の鉄道省は、橋の老朽化が進行しているため、早急かつ全面的な補修工事を行わなければ、今後さらなる事故が起こる可能性があると北朝鮮に警告した。

北朝鮮は今まで数回に渡って橋の補修工事を行ってきた。しかし、そのいずれも早急に済ませることが優先された手抜き工事であったことが明らかになっている。そのため、中国は「手抜き工事は絶対に認められない」と応酬している。

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北朝鮮は、長期的な考えを持たず、その場しのぎの対応ばかりを繰り返す傾向が非常に強い。今回の補修問題で、その病弊が一気に現れた形だ。

橋の老朽化に対応するため、中国は北朝鮮に対して様々な支援を行っている。中国は、鴨緑江大橋に変わる新鴨緑江大橋を全額負担して建設した。ところが北朝鮮は、接続道路など附属設備の工事を全く行っていないため、せっかくできた新しい橋は無用の長物と化している。

現在、中国と北朝鮮の間の税関は9ヶ所。鴨緑江大橋から最も近いのは、直線距離で北東に200キロ離れた集安の税関だ。40日間に渡って集安を迂回することは、北朝鮮にとって非常に負担が大きい。

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北朝鮮の首都・平壌から中国東北一の大都市瀋陽までの距離は、鴨緑江大橋経由だと580キロだが、集安経由だと700キロと100キロ以上遠い。ガソリンが貴重な北朝鮮にとっては痛い出費となる。さらに、北朝鮮側の接続道路は山道の連続で、舗装状態も劣悪だ。

吉林省の省都、長春までの高速道路と接続している東海岸の圏河を除けば、後は地元の小規模な貿易に使われる程度の設備しかない。鴨緑江大橋の長期閉鎖は、北朝鮮にとって死活問題なのだ。

一方、別の情報筋は新義州在住の友人の話として、新鴨緑江大橋に付属する北朝鮮側の税関の建物の工事が8月27日から始まる予定と伝えている。これが事実ならば、長期補修工事で北朝鮮に圧力をかけて、新鴨緑江大橋の開通を急がせるという中国の戦略に北朝鮮が屈した形となる。