北朝鮮を6カ国協議に復帰させるための国際社会の努力が、北朝鮮に対する制裁の現状維持と一部緩和の方向に向けられている。
国際社会は12日の北朝鮮の短距離ミサイル発射に対する公式な対応を自制しており、北朝鮮が非核化を実現させて6カ国協議に復帰するよう促す声を繰り返し上げている。
韓国政府は北朝鮮の短距離ミサイル発射が、弾道ミサイルと関連したすべての活動を禁止している国連安保理の決議に違反しているという判断を下したが、直接の対応は避けている。
韓国・外交通商部のムン・テヨン報道官は15日の定例記者会見で、北朝鮮の短距離ミサイル発射に対する韓国政府の対応について、「現在はメディアに対応する措置を取っている」と述べた。つまり、非難声明などの追加対応はしないということだ。
ムン報道官は13日、論評ではないと前置きして、「今回の北朝鮮のミサイル発射は、弾道ミサイルと関連したすべての活動を禁止している安保理決議1695号、1718号、1874号に違反する行為だ。韓国政府は北朝鮮に安保理の決議事項の義務を守るよう再度求める」と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、「安保理の動きはもう少し見守るべきだが、短距離ミサイルの発射にひとつひとつ対応しないのが安保理のこれまでの慣行」と言い、今回のミサイル発射と関連して安保理制裁委員会レベルの具体的な対応は無いことを示した。
しかし、韓国外交部のこのような対応は、7月4日に北朝鮮がアメリカの独立記念日に合わせて短距離ミサイルを続けて発射した時の対応とは大きく異なる。当時、外交部は論評を発表して、「弾道ミサイルと関連したすべての活動を禁じている安保理決議1695号、1718号、1874号に違反する挑発行為」と北朝鮮を強く非難した。
韓国政府の対応に変化が見られるのは、対話への転換の可能性が伺える最近の国際情勢と、やっと醸成された南北朝鮮の対話の雰囲気を意識してのことと思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面アメリカ国務省のクローリ広報担当次官補も14日の定例記者会見で、北朝鮮のミサイル発射に対するアメリカ政府の立場について、「我々は6カ国協議の再開と北朝鮮の義務事項の履行に関心がある」と話し、北朝鮮に対する直接的な非難は控えた。
クリントン国務長官も北朝鮮がミサイルを発射した直後に、発射については直接言及せず、「北朝鮮の核プログラムは絶対に容認できない。朝鮮半島の非核化のために努力を続ける」と原則だけを述べた。
日本政府は北朝鮮船舶に対する貨物検査関連法案の推進を先送りするなど、北朝鮮が対話の意志を表明したことを受けて、対北制裁を留保する動きを見せている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面読売新聞(15日付)は「 政府は14日、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議内容を実行するための北朝鮮貨物検査特別措置法案について、今月23日召集予定の臨時国会への提出を見送る方針を固め、与党側に伝えた。 民主党は、先の通常国会で廃案となった政府案とほぼ同内容の法案で再提出を目指していたが、社民党内の慎重論や、北朝鮮が核問題を巡る6か国協議再開に柔軟な姿勢を示していることを考慮した」と報じた。
しかし、北朝鮮が軍事挑発による対決の態度を捨てて交渉の場に戻るという意思を示したのは、国際社会が一致して対北制裁を履行した結果であり、今の動きは北朝鮮に誤解を与える可能性が高いという指摘も出ている。
北朝鮮との交渉の局面が変化したことで対応レベルを調整することは、国際社会が自ら掲げた原則に違反することにもなる。
自民党は「これといった変化が見られない状況で法案の制定を先送りすることは、北朝鮮に対する一方的な譲歩」と反発している。