第21回南北長官級会談が1日午後、’共同報道文’を採択して公式に終決した。
今回の長官級会談は、正式な議題とみなすことはできない’米の借款問題’に進展を阻まれ、その他の議題に関する議論さえまともに行うことができず、事実上決裂したというのが大体の評価だ。
イ・ジェジョン統一部長官とクオン・ホウン北朝鮮内閣参事はこの日の午後3時20分に終決会議を始め、約17分後に’共同報道文’を採択して公式日程を終えた。
イ長官は終決会議が終わった直後のブリーフィングで、”朝鮮半島を取り巻いている多くの課題について、虚心坦懐に話を交わした”と明らかにした。
更に、”今回の会談は共同報道文が採択され、公式日程をすべて消化したため決裂したわけではない”と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面イ長官は長官級会談の決裂という世論を意識するかのように、”(長官級会談は)経済協力と軍事的緊張緩和、保健医療支援など、多くの分野を扱うため、南北関係の枠組みは6ヶ国協議より多くの課題を遂行しなければならない”と述べた。
だが、今回の共同報道文には具体的な議題に対する合意事項が一つも盛り込まれず、ただ”朝鮮半島の平和と南北間の和解と協力を増進させるための問題を更に研究することにした”とだけ明らかにし、形式にとどまったという指摘が出ている。
長官は”今回の会談で最も難しかった点は、南北間で合意されて借款契約書まで交換して、事実上米支援がなされなければならないのにそうではなかった”と述べ、”この問題に対して率直に説明し、この過程で南北間の問題解決のために、共同の努力が必要だという認識を共にした”と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、”ただ2.13合意の初期措置の履行は朝鮮半島への平和の定着と、朝鮮半島の未来を作って行くのに最も重要な課題”と言い、”この問題の解決が、我が国民が一番大きく念願していることだから、米の借款は国民の支持の中で成り立たなければならないと説明した”と明らかにした。
しかし、北側は会談期間に南北が合意した事項を履行したら信頼を維持することができると強調し、いわゆる’民族重視’と’民族優先’という根本的な問題を主張し続けた。
これと関連し、韓国のコ・ギョンビン会談代弁人は、”核問題に関して何らの変化がない状況で、(米の支援は)国民の共感を得ることができないという点を明らかにした”と述べ、”今回の会談の結果は期待に及ぶことができなかったが、南北は6.15首脳会談以後の南北関係の成果を評価して、より高いレベルの発展が必要であるということに共感した”と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面しかし、事実上会談が決裂したことによって、半月後に近付いた’6.15共同宣言7周年記念民族統一大祝典’(14~17日)が予定通り開催されるか注目されている。
当初、今回の会談で政府代表団の参加の範囲など、行事の計画について協議するというのが政府の方針だったが、話さえまともに取り出すことができなかったと伝えられた。現在まで、北側が6.15行事に相当な比重を置いており、予定通り当局の共同行事が開かれる可能性が高いというのが、専門家らの観測だ。
更に、27日からポリエステル繊維500トンを始めとし、北朝鮮に送る予定である軽工業原資材(8000万ドル)の支援が計画どおりに行われるかについても関心が持たれている。
しかし、軽工業原資材の場合、会談の決裂と関係なく支援される可能性が高い。会談前、統一部の関係者は、”軽工業原資材の支援は、2.13合意ではなく地下資源の開発と連携している”と述べ、北朝鮮の核問題とは無関係だという立場を明らかにした。
同時に、今年の光復節とチュソクを前後して予定された、離散家族の再会行事が予定通り開かれるのかも注目されている。南北政府は今年のチュソク(9.25)を前後して、南北100家族ずつ、第16回離散家族対面再会を、光復節(8.15)とチュソクを前後してそれぞれ南北40人ずつ、画像再会を推進することで合意している。
一部では、離散家族の再会行事の場合、時間に余裕があるため、今すぐ憂慮する必要はないという指摘も出ている。バンコ・デルタ・アジア(BDA)問題もまだ解決していないが、いずれにしろこの問題は解決されるのではないかという、多少希望交じりの観測があるためだ。
したがって、今回の長官級会談の決裂にもかかわらず、第19回長官級会談のように、今後南北関係が急速に梗塞することはないだろうというのが、会談所内外の分析だ。実際に共同報道文が採択されたのも、内容は不実だが、南北が互いに最悪の状況は避けようとしたというのが大体の観測である。