ナミビア政府は6月30日、北朝鮮の朝鮮鉱業開発会社(KOMID)および万寿台海外開発会社グループとの取引を止めると発表した。
国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の履行状況を監視している専門家パネルは2月末までにまとめた報告書で、北朝鮮の「万寿台(マンスデ)海外プロジェクト・グループ」が、2002年から2005年にかけて、ナミビアに弾薬工場を建設したと指摘。同社は、北朝鮮の武器取引を担う「朝鮮鉱業貿易開発会社(KOMID)」の関係先と見られる。KOMIDは2009年から、国連の制裁対象に指定されている。
軍事援助で緊密化
ナミビア政府は報告書を受け、工場建設は国連制裁の発効以前に行われた事業であり、生産された弾薬はすべてナミビア国内で使用されることから、何ら問題はないと説明していた。
しかし、今後は国連の制裁決議を履行するため、取引を行わないことを決定。ネツンボ・ナンディヌダイトワ副首相兼外相が6月に訪朝した際、こうした方針を北朝鮮側に伝えたという。
ただ、ナミビア政府は今後も、北朝鮮との友好関係を維持するとしている。北朝鮮はナミビアの独立直後から軍事援助などを行い、緊密な関係を築いたという。