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北朝鮮の咸鏡北道会寧市の党責任書記が金正日に直接請願の手紙を出し、秋夕(旧盆)を控えて住民たちにひと月分の食糧を配給した。今回の配給は会寧市だけで特別に実施されたという。

4日にデイリーNKと通話した咸鏡北道の消息筋は、「(咸鏡北道会寧市が)秋夕を控えてひと月分の配給をくれた」と述べ、「秋夕と関連し、世帯ごとに白米2キロと残りはとうもろこしをくれた」と伝えた。

これについて複数の消息筋が、「今回の配給は会寧市の党責任書記が直接将軍様(金正日氏)に直訴の手紙を送ったため実現した」と言い、「うわさによると、今後『会寧市だけは配給を正常に与える』と言っているそうだが、しばらく見守らなければならないだろう」と話した。

消息筋によれば、とうもろこしを含めた農作物の収獲がほとんど終わったにもかかわらず、いまだに住民に食糧を供給しなさいという政府の指示が下っていない。そのため、都市の住民の多くが食糧難に喘いでいるという。

会寧市の党責任書記はキム・チョルという。彼は去年12月24日の金正淑(会寧は金正日の生母、金正淑の故郷)の誕生日の前に、「金正淑お母様の故郷では生活が大変で、人々が商売と越境の誘惑に陥っている」と言い、「迅速に食糧を供給してほしい」という内容の直訴の手紙を金正日に送ったそうだ。

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その後、金正日から「お母様の故郷の人たちに特別に配給しなさい」という指示文が届いた。これについて当時住民たちの間では、金正日の母親の故郷という点が考慮されたはずだという話が出ていた。

特に、今年2月に金正日が会寧市を訪問した時も、キム・チョルは会寧市の配給の問題を直接挙げて、咸鏡北道の道党責任書記に「会寧市の配給問題に特別に関心を向けなさい」と金正日が指示を下したという。

会寧市の党責任書記が、金正日から配給を正常に実施することに関する確答を直接得たといううわさが流れ、会寧市の住民たちは、金正日は約束を守るはずだと大いに期待していた。

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だが約束の後も、4月までふた月分のとうもろこしを配給しただけだった。

秋夕を前に、再び食糧難に喘ぐ民心をなだめなければならなかった市の責任書記キム・チョルは、「道の幹部たちが将軍様の指示をきちんと守っていない」という内容の文章を書き、1日も速く会寧市の配給問題を解決していただきたいという請願の手紙を再度送った。

これを受けて、秋夕を控えて会寧市に対してだけ特別に配給が実施されたのだった。

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消息筋は「以前もそのような(配給することに対する)指示が何度も下ったが、守られることはなかった」と話し、「今回の措置も1、2ヶ月分くれるだけだろう」と予想した。

さらに、「それでも配給をもらえたため、人々は市の責任書記のことを良く思っている」と言いつつも、「あのような市党責任書記は長続きしないだろう」と分析した。

この消息筋は、「道の党を素通りして将軍様に直接請願の手紙を出すことは、道の党責任書記に打撃を与える行為」と言い、「今頃道の党幹部たちは密かに刀を研いでいるだろう」と話した。

消息筋は最後に、「代々、人民に人気がある幹部が長くいるのを見たことがない」と述べ、「結局会寧市の党責任書記も人民の側について、他のすべての幹部たちに背を向けたため、首が飛ぶのは時間の問題」と言い切った。