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ロシアが、北朝鮮への燃油の輸出を中止したことが明らかになった。この影響で、北朝鮮国内のガソリン、ディーゼル油の価格が急騰していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

デイリーNKは今年3月、ロシアから北朝鮮への燃油供給が始まり、北朝鮮国内でのガソリンとディーゼル油の価格が大幅に下落したと報じた。

(参考記事:北朝鮮で「油」の価格が下落 国際価格下落やロシアからの輸入が影響

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、ガソリン、ディーゼル油価格の下落は市民生活にも好影響を与えた。

例えば、清津(チョンジン)市では、ディーゼル油を燃料とする発電機を使う人が増えた。電力供給がまともに行われず、自力で電力を調達しなければならないからだ。

また、道内の各貿易会社は、取り扱う燃油を中国産からロシア産に切り替え、ガソリンスタンド事業に進出するなど、ちょっとした「オイルラッシュ」に沸いた。

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しかし、最近になって清津の東港に常に姿を見せていた石油タンカーが、いつの頃からかどこかへと消え、ロシアからの燃油供給が突然止まってしまった。

その理由について、各情報筋は「わからない」としているが、今年3月に国連安保理で採択された対北朝鮮制裁決議2270に従った措置である可能性もある。

決議では、航空燃料やロケット燃料の対北輸出を禁止しているが、民生用の原油、燃油の輸出は禁じていない。しかし、最大の輸出元であった中国も、対北原油輸出を大幅に減らしている。

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韓国の中央日報によると、依然として、パイプラインを通じて北朝鮮への原油輸出が続けられているが、その量は年間52万トン、1日1万バレル程度と極めて少ない。ちなみに日本は1日約345万バレル、韓国は約255万バレルを輸入している。

ロシアからの供給中断に伴い、燃油価格の上昇が始まった。

ガソリン1キロ(1.34リットル)の価格は、1月に4.7元(約79円)だったが、4月には5.5元(約93円)、5月には8.2元(約138円)まで上昇した。

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ディーゼル油1キロ(1.17リットル)は1月に2元(約34円)だったのが、4月には4元(約67円)、5月には5元(約84円)まで上昇し、いずれも、ロシアからの燃油供給が始まる前の水準に戻った。(通貨単位は中国人民元)

咸鏡北道の別の情報筋によると、ロシアからの燃油供給のおかげで、道内の軍需工場は、数十万トンの燃油を備蓄することができていた。また、清津市内の各燃油供給所も数百万トンずつ備蓄している。

しかし、完全に供給が中断されたとすると、軍事、産業のみならず、一般市民の生活にも深刻な影響が出ることは避けられない。供給中断が一時的なものなのか、恒久的なものなのかも不明。市民たちは、戦々恐々としながら、現況を知りたがっていると情報筋は伝えた。