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国連安保理が採択した対北朝鮮制裁決議2270や、韓国政府が出した利用自粛の要請のために、世界各地の北朝鮮レストラン(北レス)が窮地に追い込まれている。

(参考記事:美人ウェイトレスの涙…北朝鮮レストラン、経済制裁で閉店相次ぐ

そんな中、北朝鮮当局は中東のクウェートに北レスをオープンさせようとしていたが、断念を余儀なくされたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

クウェートで16年間にわたり軍需品のビジネスを行っている韓国人ビジネスマンによると、北朝鮮政府の関係者は昨年末に入国。レストランを開くとして、クウェートシティ中心部のフィンタス地域の物件を借りた。

北朝鮮は、近隣のドバイでレストランを営んだ経験があり、クウェートでも同じようにできるだろうと踏んでいたようだ。しかし、彼らはクウェートは酒類や公演に関する規制が非常に厳しいことを把握していなかった。そもそも同国では、自国民、外国人を問わず、酒類の販売、消費が禁じられている。

酒の販売ができないとなれば、儲からないという判断に至ったのだろう。現地の韓国人コミュニティでは「北レスのオープンを断念したらしい」との噂が出回っている。

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イスラム教の国で酒類への規制が厳しいことくらいは、ネットで調べればすぐにわかることだが、調べようにも北朝鮮ではネットへの接続ができない。今回の件は、経済制裁の影響ではなく、北朝鮮の情報鎖国ぶりがもたらした出来事と言えよう。

レストラン関係者は現在、北朝鮮大使館に閉じこもっているが、帰国後は何らかの処罰を受けることが予想される。仮にそうなれば、北朝鮮の外貨獲得活動が委縮する悪循環につながるだろう。

クウェートの警察当局は昨年10月、密造酒を製造し、外国人労働者などに密売していた容疑で、北朝鮮労働者22人を逮捕している。その利益を多くは北朝鮮大使館に上納されていた。