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北朝鮮が18日に逝去された金大中元大統領の葬儀に弔問使節を派遣することがわかった。

民主党のパク・ジウォン議員は、「北朝鮮のアジア太平洋平和委員会が、金大中平和センターのイム・ドンウォン元長官宛にファックスを送り、弔問使節が金正日の花束を持って葬儀に参列するとの連絡が来た」と伝えた。しかし、北朝鮮は公式的にはまだ韓国政府に弔問の意を伝えてはいないという。

ただ統一部は、北朝鮮からの弔問使節関連の国際ファックスを入手し、分析を行っているという。韓国政府関係者によると、政府が北朝鮮の弔問使節を断る可能性は低いという。

北朝鮮が19日明け方に、金正日名義の緊急弔電を打ち、金元大統領の遺族に哀悼の意を表明したため、弔問使節が参列に来るのではないかという予想もあった。

金正日は弔電で「私は金大中元大統領が亡くなった悲しいニュースを聞き、イ・ヒホ夫人とその遺族に哀悼の意を表します。金大中元大統領は残念ながら亡くなられてしまったが、民族の和解と統一に向けて彼が成し遂げた功績は、これからも民族の心の中で永遠に生き続けます」と、金元大統領を高く評価した。

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北朝鮮の弔問使節が韓国に来るのは、北朝鮮が韓国との関係の基準として考えている「6.15南北首脳宣言」の一方の主人公が、金元大統領だったからだと考えられる。李明博政権の発足後、6.15と10.4合意の全面履行を主張している北朝鮮としては、金元大統領への韓国人の追悼の雰囲気の中で、6.15合意を思い出させる効果が得られるからだ。

すでに現代グループのヒョン・ジョンウン会長を通じて、離散家族の再会や観光事業の再開など、南北交流事業の復活を匂わせるメッセージを送った北朝鮮としては、現在の追悼の雰囲気を利用して、太陽政策に対する批判的な評価を抑えられる可能性もある。

また、相次く核実験とミサイル発射により、原則と実用の方向に向っている韓国国内の北朝鮮に対する世論に、和解のイメージを与えることで太陽政策を支持する勢力が再結集するきっかけにもなりうる。

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さらに、アメリカ人女性記者2人と現代アサンのユ・ソンWン氏を解放して、金正日の政治的な「懐の深さ」を見せた北朝鮮としては、今回の弔問使節の参列により、もう一度金正日の政治力が宣伝できる効果も得られる。

過去、アジア太平洋平和委員会副委員長が弔問使節として韓国に訪れたことがあることため、今回も労働党のキム・ヤンゴン統一戦線部長(アジア太平洋平和委員会の委員長を兼職)の訪問が有力視されている。北朝鮮は01年に現代グループのチョン・ジュヨン会長が亡くなった時にも、アジア太平洋平和委員会のソン・ホギョン副委員長など4人の弔問使節を送ったことがある。

また、04年にソウルを訪問したことがあるリ・ジョンヒョク統一戦線部部長、05年に金元大統領を見舞った労働党のキム・ギナム秘書が来る可能性もある。

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北朝鮮から弔問使節が来る場合、葬儀委員会が出迎える可能性が高い。アジア太平洋平和委員会の韓国側パートナーである現代グループが、バックアップする可能性もある。弔問使節のため、韓国政府関係者と接触する可能性は低い。

専門家らは、北朝鮮の弔問使節による逆効果も警戒している。現政権の対北政策の転換を狙う北朝鮮と、今回の件で政局の逆転を期待する民主党、太陽政策の支持者など、対北政策の転換攻勢により韓国社会の内部の葛藤が深刻になる可能性もあるという。

北朝鮮が、韓国政府に公式に弔問使節の派遣意思を伝える前に、パク・ジウォン議員などに前もって派遣の意思を伝えたことも、「民間と政府の葛藤」を引き起こそうとしたためとの分析も出ている。韓国政府と対決姿勢を維持しながら、ヒョン・ジョンウン会長を招き和解と協力のメッセージを伝えたことと同じ戦略だという指摘だ。

世宗研究所のソン・デソン所長は「北朝鮮の弔問使節と関連して、その対応と解釈について韓国国内での葛藤が深刻になる可能性がある。金大中元大統領の追悼行事が政治的な宣伝の場にならないよう、我々は冷静で理性的に対応すべきだ」とアドバイスした。