今年に入り、北朝鮮の大衆貿易の依存度が73%に達し、過去10年間の最高値を記録しているが、そのほとんどが非公式な取引きであるため、長期的に北朝鮮の対外貿易の発展に寄与することは難しいという主張が出た。
国際開発協力センターのイ・ジョンウン統一国際協力チーム専門研究員が12日、対外経済政策研究院(KIEP)に寄稿した、「中朝国境地域における中国業社の対北取引きの慣行の分析」という論文で、「国境地域で慣行になっている取引き方法は、最近まで中朝の経済交流を拡大することに寄与していたが、取引きの規模と取引きの当事者が制限されるようになり、不法な要素もあるため改善が必要」と述べ、このように指摘した。
イ研究員は「中朝国境地域で慣行となっている国境貿易を通じた物資の交流や現金の購買、現物取引き、ふろしき包み貿易などを考慮すると、中朝間の交易の規模は、中国の税関の資料を活用した公式の統計よりもはるかに大きいと判断される」と分析した。
特に、「中国と北朝鮮の企業は、当事者間の合意によって税制の優遇や通関手続上の便宜のために、取り引きされる物品とは異なる品目や価格を書類に記載することがある」といい、「搬出入される品物の代金が現金で支給されたり現物で交換される場合は、実際に取り引きされる品目や数量、価格の条件を税関や金融機関が確認するのは困難」と説明した。
イ研究員はこれについて、「国際的な信任度が低く、北朝鮮が販売できるものには競争力がある商品がほとんどないため、国境地域の中国業社は北朝鮮が現金取引きや物物交換、売り掛け取引きなどの非公式な取引きで利用できる、国際社会の唯一の交易パートナーに過ぎない」と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、「国境貿易の制度を活用した税制上の恩恵と、中国でも競争力を失いつつある低価の労働集約型製品、鉱産物、農水産物など1次製品の取引きを通じて収益を残す国「であるため、北朝鮮が交易を通じて国際競争力を強化したり、産業を回生させるための大規模な資本が流入することはなかなか期待できない」と強調した。
特に、「金融機関の信用共助が排除された中朝間の交易は、輸出代金の未回収や取引き当事者間の利害関係の衝突を調整することができる制度がなく、今後取引きの量と取引き品目の拡大を制限する要因になるだろう」とイ研究員は述べている。
これ以外にも、「中国の交易体系が以前と比べて全般的に発展しており、辺境地域で行われている密貿易など不法な貿易に対する取り締まりも強化されたため、最近まで黙認ないし傍助してきた金融機関が、排除された現金取引きや、限度以上の外貨搬出入を規制する可能性がある」と指摘した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面したがって、「北朝鮮は中国の業社との取引きで活用している、非公式な取引きのやり方を改善して、貿易の多角化を目指すために努力しなければならない」と主張した。
中朝間の貿易は、 ▲政府と協議して成り立つ支援性の交易 ▲民間の貿易会社や企業が参加する一般の貿易 ▲国境地域の企業と商人に、特恵措置を与える辺境貿易の形で推進されている。
特に、中国政府は遅れた辺方地域の経済や国境を接している国家との経済交流を活性化させるために、国境貿易に特恵を付与しており、丹東などにある中国の業社は、接近地域という地域的特性や政府の優待措置を活用して、北朝鮮と取引きしている。