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ビル・クリントン元アメリカ大統領が北朝鮮に抑留されているアメリカ人女性記者2人の釈放について交渉するために、北朝鮮に向かった。

北朝鮮が記者の釈放に関する交渉を理由にあげてアメリカの高位人士の訪朝を要求し、アメリカがこれを受け入れた形である。北朝鮮はミサイル試験発射と2回目の核実験で、両国関係の対立を煽っており、これは劇的な妥結を模索しようとする典型的な瀬戸際戦術とも思われる。

ビル・クリントン元大統領は、アメリカが北朝鮮に送ることができる人の中で最高位の立場にある人と言える。在任中、1994年10月にはジュネーブ合意を締結し、2000年にはチョ・ミョンロクをアメリカに招待して米朝共同コミュニケを発表した。

また大統領退任の直前に、米朝関係改善のための訪朝も検討しており、クリントン政権の時期に歴代のどの大統領よりも両国関係が好転したという評価を受けた。現在、アメリカの外交政策の責任を負っている、ヒラリー・クリントン国務長官の夫という点もポイントだ。

したがって、クリントン元大統領が北朝鮮に到着すれば金正日に会う可能性も高いと思われる。

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クリントン元大統領が訪朝することになり、外交家の間では1994年のジミー・カーター元大統領の訪朝が再現されるのではないかという予想も出ている。

女性記者の釈放や6カ国協議への復帰、核凍結宣言、アメリカの制裁の部分的または完全な解除、関係改善方案の導出、南北関係の改善方案などで合意に達する可能性もあるということだ。

だが現在の両国関係が、ジミー・カーター元大統領が訪朝した第1次核危機当時の状況とは根本的に違うという指摘も少なくない。

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北朝鮮はクリントン元大統領と人質交渉をすると同時に、核問題の妥結のために前向きな提案をしてくる可能性がある。アメリカがなだめて中国が押す形だが、負ける振りをしながら6カ国協議に復帰する可能性もあり、核凍結を宣言する可能性もある。

北朝鮮が核問題で前向きな措置を取らなければ、自ら予告したとおり6カ国協議に参加せず、こうした形のアメリカとの両者交渉を続けようとする可能性もあるだろう。

だが問題は、今のアメリカは過去と違うという点だ。北朝鮮と交渉し、人質釈放の対価として人道支援や経済支援は可能だろうが、核に関連したインセンティブを提供する可能性は低い。

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オバマ政府は、北朝鮮が先に核廃棄を信頼できる形で行うまでは、貿易と金融の制裁を解除する意思がないという点を明らかにしてきた。6カ国協議への復帰と核凍結宣言だけでは、アメリカは制裁解除や関係改善について議論しようとしないだろう。2人の記者の釈放問題のために、国際社会に明らかにした北朝鮮の核に関する原則を崩すことは難しいからだ。

現在、対北制裁が強化される中、比較的可能性が高い方案は記者の釈放の対価として、北朝鮮が所有する第3国の口座の凍結を一時的に解除することか、人道的な対北支援を再開することだ。

北朝鮮が核兵器保有国であると宣言したため、過ちに対して補償した過去の二の舞を演じないという点をアメリカは明らかにしているため、クリントン元大統領の今回の訪朝で、核問題に関して何らかの合意が出るのは難しいと思われる。最悪の場合、交渉が決裂する可能性もある。

一部で憂慮されている北朝鮮の通米封南戦略も大きな問題にはならないと思われる。韓米同盟が堅固であれば、韓国の意見を無視したまま両国が一方的に合意することも難しいからだ。専門家らは米朝対話を歓迎しつつも、北朝鮮がまず核を放棄すべきだという原則を守る必要があると指摘している。