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第二次世界大戦中に竣工された富山県の黒部川第三発電所は、建設過程で多くの犠牲者を出したことで知られている。資材運搬用の鉄道のトンネル工事現場では高熱で熱中症での死者が相次ぎ、工事用の通路からの作業員の転落事故は日常茶飯事だった。また、宿舎が雪崩に襲われ、多くの従業員が生き埋めになる事故も発生した。

こうした状況にもかかわらず、当時の日本は「戦争遂行のため」という理由で工事を強行。その結果、300人を超える従業員が犠牲となった。

それから70数年経った現代の北朝鮮で、当時の日本と似たようなことが行われている。国策で建設事業が計画され、無理にでも工期に間に合わせなければならない。その結果、事故が多発し、多くの犠牲者が発生している。

現在、工事が行われている白頭山観光鉄道の現場では、以前から死亡事故が多発しているが、今度は住民を巻き込んだ大きな事故が発生した。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、事故が起きたのは今月9日の午前10時ごろのことだ。普天(ポチョン)郡の胞胎(ポテ)地区の現場で行われていた発破作業の影響で、家が崩壊。住民が死亡したという。

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植民地時代に抗日パルチザンが活動していたこの地域には、「革命史跡地」が数多く存在する。故金日成主席のゆかりに地でもあることから、当局は保存と管理に力を入れている。反面、民生面ではさほど力が入れられておらず、地域の民家は発破で崩壊するほどのあばら屋が多い。

当局は「避難していなかった方が悪い」という理由で、死亡した住民に対しては何の補償もせず、地域住民からは怨嗟の声が上がっているという。事故はこれだけではない。

発破事故から6日後の15日、資材運搬用のトラックが転覆し、工事に従事していた突撃隊員(建設部隊員)の2人が死亡、複数の隊員が脚や腕の骨を折り、病院に搬送する交通事故が発生した。

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トラックは車体が赤で、ナンバーは「黄海南道(ファンヘナムド)32-1727」。木材と突撃隊員20数人を乗せて恵山(ヘサン)に向かう途中だった。

当時、道はアイスバーン状態だったが、タイヤチェーンを装着せずに運転していたため、スリップして事故になったという。

このように、白頭山観光鉄道の現場では、労災事故が多発している状況だ。

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しかし、突撃隊の責任者も、両江道の担当者も無責任な態度を取っており、死者や負傷者に対する補償を含めた措置を取っていない。住民たちは「あと何人の血を飲めば鉄道は完成するのか」と怒りの声を上げているという。