韓国政府がバンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されている北朝鮮の不法資金2500万ドルの送金を、韓国輸出入銀行を通じて仲介する方案を検討中というマスコミの報道が出た。
7日、朝鮮日報はこの記事を最初に報道し、”全世界のすべての銀行が、信頼の下落を憂慮して、北朝鮮の不法資金を扱わない状況で、韓国政府が国策銀行を通じて北朝鮮資金を ‘洗浄’してあげるのと同じであり、波長が予想される”と言及した。
これに関して青瓦台は3日、ムン・ジェイン秘書室長などが参加した中で、ぺク・ジョンチョン安保室長の主催で、安保政策調停会議が開かれ、BDA問題の解法を議論したが、この会議に固定メンバーではない財政経済副長官と法務部長官も特別に参加したという。
報道によれば、この会議で韓国輸出入銀行の海外店鋪に北朝鮮の口座を設けて、これを通じて北朝鮮資金2500万ドルをBDAから送金し、ロシアやイタリアなどの第3国の銀行の、北朝鮮の口座に振込む方案が議論されたという。
青瓦台の安保政策調停会議で、韓国輸出入銀行を通じて北朝鮮の不法資金を仲介するという、最終的な結論が出たかどうかはまだ伝えられていない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面もし政府が最終決断を出していないのであれば、’たった一度検討してみた’という程度の結論を下して、最初からなかったことにして、早くこの問題をおさめた方がよい。
北朝鮮はこれまで、BDAの資金をアメリカにある銀行を通じて、第3国に振込みできるようにしてほしいと要求してきた。アメリカがそうしてやれば、他の国の銀行も今後、北朝鮮の資金を取り引きすることができるようになるという主張だ。しかし、米財務省は自国の愛国法によって、BDAが資金洗浄機関に指定されたため、アメリカの銀行を利用してはならないという立場をとった。中国のBOC(中国銀行)も、BDAの資金の仲介はできないとふんばっている。
ところで、どうして韓国の輸出入銀行が対象として浮上したのだろうか。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面報道によれば、”アメリカは北朝鮮に対して‘凍結されたBDAの資金を解除したので、資金を引き出しなさい’と言い、北朝鮮は‘現金でおろさずに、口座を通じた振込みをする’と言って、韓国政府が乗り出すことになった”とのことである。また、“アメリカも韓国政府の方針に同意し、韓国輸出入銀行側に、BDAの資金送金に協調しても問題視しないという立場を伝達すると聞いている”ということだ。
これは一体どういうことか。
アメリカも中国も、BDAが北朝鮮の不法資金の送金が’熱いジャガイモ’という事実はすべて分かっている。したがって米中ともに、’韓国が受け入れて処理してくれればよいだろう’と考えているということだ。頭が痛い問題を、’民族共助’が好きな韓国に押しつけようということだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面もし韓国の銀行がこの不法資金を渡されて仲介すれば、どのようなことが起こるか。もちろん、米中が言葉上、国際金融機関に保証して勧告したら、今は’1回用’であるため、別に問題にならないだろう。
しかし、北朝鮮の不法資金問題がこの間、BDA1ヶ所だけに限られていたと言い切ることはできない。北朝鮮政府が使用する口座は、BDA以外にも、ロシアをはじめとし、ヨーロッパの中立国のどこかに、更にあると考えることが妥当であり、また常識的だ。それでは、もし武器の密売資金などの北朝鮮の不法資金が、これから更にみつかる事件が発生すればどうなるか。国際金融機関は、不法資金を仲介した経歴がある’前科者’の韓国輸出入銀行に、いの一番に疑惑の視線を送るだろう。いくら善意で仲介したと説明しても、不法資金を仲介した’前科記録’は、厳然としたファクト(fact)であるからだ。このような問題に思いやりがあると期待すること自体が愚かなことだ。
国際金融取り引きで最も重要なのが’信用’だ。信用を認められるまでは長くかかるが、一回信用に傷がついたら、回復は難しいのが金融取り引きだ。北朝鮮の不法資金問題が再発した場合、外国の金融機関が韓国輸出入銀行と信用取引を続けようと思うだろうか。話にならない要求を、今アメリカと中国がつきつけているのだ。
特に中国はかなり非常識な判断をしている。孔子も”自分がしたくないことは人にもしてはならない”と言った。ましてや、自国がしたくないとアメリカに意地を張りながら、’スリークッション’で韓国に押しつけるとは、どういうことだろう。
北朝鮮の資金送金問題は、北朝鮮政府が意地を張らずに、現金でまずおろした後、新しい銀行を探して、最初から口座の主人の実名を公開して、国際金融の基準に沿った取り引きを行うことが正しい解決方法だ。’信用’を回復するために透明性を維持して取り引きし、信用を得なければならない。それが原則だ。
また同盟国である中国は、北朝鮮がそうするように手助けすることが利益となる。同盟というのはよいことでも悪いことでも、甘苦を共にするのが常識ではないか。
韓国が乗り出して、それも国策銀行である輸出入銀行が不法な資金を送金するという行為は、後に自縄自縛のブーメランとして帰って来ることは間違いないだろう。
韓国輸出入銀行は北朝鮮のミサイル販売など、不法な武器の密売の不法資金が、BDA1ヶ所だけに集中していると壮語することができるか?もし壮語できないのであれば、たとえ政府の勧告があるといっても、丁重に断らなければならない。
後で関係者たちが国会の聴聞会やアメリカの聴聞会に参考人として出席したくないのであれば…