韓国政府筋は27日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は2015年、韓米連合軍の空軍と海軍戦力を阻止するため、対空・海岸防衛を目的とした短距離ミサイル発射とその改良に力を注いだと明らかにした。
政府筋によると、北朝鮮軍は、射程距離100㎞の改良型地対空ミサイル(KN-06)を開発中で、艦対艦ミサイル(KN-01)の性能も継続して改良中だという。
今年、発射した短距離ミサイルのうち、KN-06とSA系列、そしてKN-01の発射回数が多かった分析した。北朝鮮軍は、3月SA-2、SA-3、SA-5など、既存の地対空ミサイル7発を発射。さらに、4月にはKN-06を2発発射した。KN-06は、陸上に固定化された既存の防空武器を補完するため、車両に搭載して機動性を高め、サイズを小さくした地対空ミサイルシステムで、射程距離は約100㎞に達するという。
海岸に接近するターゲットの精度と射程向上を目的として改良されているKN-01(射程距離100㎞)の発射は、2月と5月に日本海で7発、6月には陸上から日本海に向けて3発の計10発が発射された。5月と6月の発射時には、金正恩氏が現地視察した。
2月と4月には300㎜放射砲のKN-09を7発、3月には弾道ミサイル「スカッド-C」を2発、5月と11月には潜水艦弾道ミサイル(SLBM)のKN-11(北朝鮮名:北極星1号)を2発を発射した。SA系列の地対空ミサイルやKN-06は9発発射で、KN-01の10発には及ばなかった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮軍のミサイル発射の傾向について政府筋は、「北朝鮮軍は、空中と海上戦力が相対的に脆弱だ。朝鮮半島有事の際、空中と海上に接近する米韓連合軍に脅威を感じているようだ。米韓の海軍戦力を阻止する目的で、今後も地対空および艦対艦ミサイルの改良に注力するだろう」と述べた。
金第1書記は2015年、約20回にわたって軍部隊を訪問し、訓練を視察したが、いずれも対空戦力運用部隊の視察が半分近い9回であり、ミサイル試験発射訓練と新型戦術ミサイル発射訓練、空軍部隊の訪問と訓練視察に集中した。
政府筋は「北朝鮮軍は戦闘機820台を保有しているが、ミグ-29、ミグ-23などの90台以外は、ほとんどが旧型だ。金正恩氏は、こうした実情を把握しており、対航空部隊の訓練不十分を非難しながら、戦力の補強を発注している」と説明した。