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12月1日は「世界エイズデー」だ。東京でも市民へのエイズの関心を高めて感染拡大の抑止を図り、HIV陽性者などへの偏見、差別を解消するために「TOKYO AIDS WEEK」というイベントが12月12日までの予定で開催されている。

かつては、不治の病を恐れられたエイズだが、正しい知識を持ち、感染、発病したとしても、適切な治療を受ければ健康な生活を送れるようになった。

北朝鮮にも当然HIV陽性者、エイズ患者が存在するはずだが、当局は「我が国にエイズ患者はいない」と豪語する。

朝鮮中央通信は、WHOや国連の関係者を招待して平壌で国際エイズデーの記念行事を開催したと伝える反面、国営メディアの「民主朝鮮」紙は「最も優越した社会主義保健制度が樹立されており、人民的施策が実施されている我が国では、エイズ患者は一人たりとも発生していない」「我が国は今後もエイズ予防のための衛生宣伝事業と監視活動を引き続き強化し、人々の命と健康を積極的に守る」と報じた。

それだけでなく、エイズなどの感染症を米国を非難するための道具として利用している。

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北朝鮮のプロパガンダサイト「我が民族同士」は、南朝鮮(韓国)からの報道だとして「HIVウイルスは、米軍が細菌兵器の研究中に事故で外に流出したものだ」と、トンデモ陰謀論を展開。

朝鮮中央通信も、朝鮮赤十字会のキム・ギュファン部長の主張として「エボラウイルスは、悪の総本山、米帝国主義が生んだもの」という主張を掲載。疾病対策への取り組みが真面目になされているのか、疑わしい記事一色だ。

そんな中、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、北朝鮮における性感染症の実態について報じている。

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北朝鮮当局は、HIVに関する公式の統計を一切発表していない。HIV感染者やエイズ患者が存在するかは定かではないが、RFAのチョン・ヨン記者は、北朝鮮人と外国人の接触する機会が非常に限られているため、HIV感染者はいないかもしれないと述べた。

しかし、観光客の多い羅先(ラソン)経済特区には、外国人相手に売春を行う女性が存在する。女性たちは、北朝鮮当局が管理していると見られるが、健康管理がどのように行われているかは不明だ。エボラウイルスに対して異常とも言える対策を行ったことを考えると、もしエイズ感染者が存在したとしても、徹底的に隠蔽するので外部に知られることはないだろう。

一方、北朝鮮でHIV以外の性感染症の感染は拡大しているという説もある。

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1980年代までは少なかった売春行為が、90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の頃から急増した。生き残るために売春を行う女性が増えたためだ。現在では組織化するほど売春は大々的に行われている。

売春業が拡大するにつれ、女性たちの間では、梅毒や淋病などが蔓延しているという。北朝鮮当局は2005年、梅毒と淋病患者を全面調査せよとの内閣決定書を出している。

これに沿って平壌市内の各病院や大学は、人民班(町内会)に出向き女性を対象に調査を行ったところ、10人に3人が梅毒や淋病の保菌者であることが判明した。

当局は、女性たちを隔離し治療したと主張するが、医薬品が不足する北朝鮮で治療薬のペニシリンが確保することは容易ではない。また、医師も性感染症に関する知識が不足しており、調査や治療にあたって当局が宣伝映画を用意したほどだという。

性感染症の予防にはコンドームが欠かせないが、北朝鮮で医師だった脱北者は「コンドームは見たことがない」と証言している。この医師の脱北時期についてRFAは明らかにしていないので、現在は売られている可能性もある。

また、WHOの資料によると、北朝鮮の避妊器具普及率は69%で、アジア平均の58%より高い。ちなみにこの数値は、北朝鮮の性感染症関連で唯一公開されているものだ。