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東京新聞(朝刊)は11日、平壌の「金正日政治軍事大学」でスパイ活動を教育する際に使われる内部文書を入手、発表した。「拉致」の方法などが具体的に記されており、北朝鮮が国家主導で拉致をおこなっていたことを裏付ける貴重な資料だという。

同紙によると、入手した内部文書は「金正日主義対外情報学」という工作員養成用のテキスト。拉致の目的や手法について詳しく記述されている。朝鮮労働党関係者によると、金正日氏が総書記に就任した1997年以降に作成され、死去する2011年まで工作員養成過程で使用されていたという。

「拉致」などの言葉は北朝鮮式の発音「ラプチ」ではなく、韓国式の「ナプチ」に表記されているが、韓国で工作活動をする実情に合わせたと同紙は分析する。

文書には拉致された人物が抵抗したら「処断も可能」、つまり拉致の対象を殺すことも触れながら、銃殺、毒針、毒薬をはじめ「処断の方法は、実にたくさんある」とするなど、生々しい内容が記されているという。

2002年9月、金正日氏は小泉純一郎首相と会談。日本人拉致を認めたが「80年代初めまで特殊機関の一部が妄動主義に走って」と釈明していた。今回の文書は、金正日氏の従来の主張を覆すという点でも貴重な資料といえよう。