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北朝鮮の2回目の核実験に対して国連安保理が対北制裁案を妥結したことで、今後どのようなことが起きるのかという点に関心が集まっている。

国際社会が警告を続け、引き止めたにもかかわらず、北朝鮮は先月25日に2回目の核実験を強行した。その後、国連安保理は迅速に会議を招集し、北朝鮮に対する強力な追加制裁に関する協議に入った。

常任理事国5カ国と、日本と韓国を含めた主要7カ国が、10回に渡り会議を開き、武器の禁輸、貨物捜査、金融制裁などを骨子とする対北制裁案に合意した。

今回の制裁決議案の草案の内容がメディアに公開されるというハプニングもあったが、06年の1回目の核実験で採択された1718号よりも強硬で実施的な内容が盛り込まれることになった。北朝鮮に対して、実質的な制裁ができるという内容になっていると言える。

◆対北制裁決議案の内容は?

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制裁決議案はその性格や全体の内容が要約されている前文と、具体的な制裁内容が書かれている項目からなっている。今回の決議案には35項目ある。

前文には、北朝鮮が1718号に明確に違反したという内容と、北朝鮮の2回目の核実験を強く糾弾するという内容が書かれている。これは、安保理が特定の事案を非難する場合、使用できる最も高いレベルの内容だという。

全35項目の中で今回の制裁の核心は、武器の禁輸、貨物捜査、金融制裁だ。争点となった事案は、7つの項目からなっている貨物捜査で、特に「北朝鮮を出入りする貨物の停船捜査」という項目だった。

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公開された制裁決議案の11項では、「合理的な理由がある場合、港や空港を含む自国の領土を通過する船舶が、北朝鮮に対する輸出禁止品目を積んていると判断される場合」に対する情報の共有も定めている。また12項には、船舶が所属する国家の同意の下で、公海でも貨物船舶の捜査ができると定められている。

だが、中国は公海上での「貨物捜査」は、北朝鮮が反発して衝突が起きる可能性があり、「北朝鮮の主権の侵害」になると主張して反対してきた。

結局、捜査をどのレベルまで行うかをめぐり、修正案や再修正案が出されて、公海上の捜査は法的な拘束力を持つ「Decide(決める)」から拘束力のない「Call up(要請する)」に修正された。

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国連のメンバー国は、国連の決定に従うことが義務化されているが、一般的にメンバー国に対する執行が法的拘束力を持つためには、国連憲章7章を援用することと、「Decide(決める)」という言葉が使われることが必要で、この2つの条件が整った場合だけ法的拘束力を持つ。

一方で、1718号では大量破壊兵器の禁輸にとどまったが、今回はさらに拡大されて全ての武器が禁輸される。

北朝鮮に対して全ての武器が禁輸となるが、北朝鮮は小型武器だけは輸入できるという。国連は小型武器を「携帯可能な武器」として規定しており、小銃などが含まれる。

金融取引については、北朝鮮のWMDやミサイル開発に関係ある全ての金融取引が禁じられる。北朝鮮の非核化や開発、人道的目的を除いた無償支援など、金融支援が提供できないようになっている。

1718号は、対北制裁委員会が指定した個人や団体に対する金融取引の中止を求めていたが、さらに強化された措置がとられることになると言える。1718号は贅沢品の輸入を遮断したが、今回はWMDやミサイルと関連した資金ルートが全面的に遮断される。

それ以外にも、制裁委員会の構成や活動を強化して、制裁の履行の実効性を高めるという内容も含まれている。制裁委員会の活動のために、専門家の構成や制裁の対象の指定を一定の期間内に行うように強制している。

◆今回の対北制裁案は実効性があるか

今回の対北制裁決議案は、これまでのものよりも強力な内容になっている。そのため、北朝鮮に対する実質的な圧迫措置として実効性があるというのが一般的な観測だ。しかし、1718号も強力な内容だったが、実効性はなかった。そのため、今回も実効性があるのかということに対する懸念もある。

北朝鮮に実質的な影響力を及ぼすことができるのかどうかは、中国の協力が最も重要な鍵となる。

中国は北朝鮮の核には反対しているが、制裁には消極的だ。4月25日の北朝鮮の長距離ロケット発射や5月25日の2回目の核実験には反対する態度を見せたが、制裁には慎重な対応を主張して、制裁のレベルを下げた。

中国の楊潔チ(虎辺に簾)外交部長は5日、中国を訪問したアメリカ国務省のジェームス・スタインバーグ副長官などに会い、「中国の対北政策に重大な変化はない」と明らかにし、中国の態度の変化は期待できないことを匂わせた。

アメリカと韓国が中国の役割を強調し、制裁への参加を説得し続けているのも、こうした中国の態度のためだ。中国を説得して、制裁に参加させることが最も重要な課題になっている。

安保理で対北制裁案の協議が行われている中、アメリカが「中国が協力的だ」と強調したり、米中が協力していることをアピールしたのは、中国の参加を促すためだったと思われる。

6カ国協議の韓国側首席代表である韓国・外交通商部のウィ・ソンラク 朝鮮半島平和交渉本部長が中国を訪問して、10日に6カ国協議の議長である中国の武大偉外交部副部長と会談し、北朝鮮の核実験以後の朝鮮半島の状況について集中的に話し合っているのも、中国を説得して制裁参加を促すためと考えられる。