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アフリカには、北朝鮮と友好関係を保っている国が多い。

たとえば、今年6月に李洙墉(リ・スヨン)外相が訪問したナミビア。同外相を迎えたハーゲ・ガインコブ大統領は、かつて訪朝して金日成主席と会談した経験に言及しながら、ナミビアは今後も兄弟国である北朝鮮との友好協力関係を強化発展させるために、「あらゆる努力」をすると強調したという。

実際、ナミビアと北朝鮮の友好関係は、あらゆる分野に渡っているようだ。同国には北朝鮮の武器商社で、米国の制裁対象になっている朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)の要員らが駐在。秘密裏に弾薬工場を建設しているとの情報がある。

また、北朝鮮は赤道ギニアから、大統領の警護システムなど巨額のIT事業を受注している。赤道ギニアはアフリカ第3の産油国であり、北朝鮮の重要な外貨獲得源になっているようだ。

このように、アフリカには北朝鮮と軍事的に深く結びついた国が多い。第4次中東戦争の際に北朝鮮が空軍パイロットの「助っ人」を送ったエジプトも、国連制裁に協力的とは言えない。

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東アフリカに位置するウガンダもやはり、そんな北朝鮮の友好国のひとつだ。内陸国で、クーデターや内戦の絶えなかった同国で初めての戦車部隊を訓練したのは、朝鮮人民軍の顧問団だったとされる。近年においても、北朝鮮高官の訪問が続いていた。

ところがそんな「友邦」から、北朝鮮は思わぬヒジ鉄を食うことになった。ウガンダのムセベニ大統領に「国際金日成賞」を授与しようとしたところ、拒否されてしまったのだ。

国父の名を冠した賞を突っ返されてしまうとは、北朝鮮のメンツは丸つぶれである。

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もっとも、ムセベニ氏の受賞拒否は欧米との摩擦が背景にあるらしく、ウガンダと北朝鮮の関係が壊れているわけではない。

一方、北朝鮮に対してより本質的な「NO」を突きつけたのがボツワナのカーマ大統領である。ボツワナ政府は昨年2月、北朝鮮の人権に関する国連調査委員会(COI)が、北朝鮮の体制による反人道的行為を告発する報告書を発表した後、北朝鮮との断交を宣言した。

そして最近、韓国を訪問したカーマ大統領は北朝鮮との断交理由について、あれほどの反人道国家とは「関係を維持する価値がないと考えた」と語り、北朝鮮を無慈悲に切って捨てたのである。

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もっとも、ボツワナ政府は断交宣言時、北朝鮮の国民に対しては慰問のメッセージを発しており、その批判が普通の人々に向けたものではないことを明らかにしている。

それにしても、北朝鮮はこうした批判に対し、口にするのも憚られるほどの口汚いヘイトスピーチで応ずるのが常であるのに、今回はまだそれが聞こえてこない。

人口約200万人のボツワナは隣国・南アフリカでかつて行われていたアパルトヘイト(人種隔離政策)に強力に反対した歴史を持ち、アフリカでは最も政治・経済・治安の安定した国とされる。

北朝鮮がアフリカ諸国に接近する上でのお題目は、「ともに手を携え、欧米帝国主義を打倒しよう」というものだった。しかし、ボツワナは小国ながら、彼ら自身のやり方で国づくりを成功させた。

そんな国からの批判には「さすがに返す言葉もない」と感じているのなら、北朝鮮の支配層にもどうにか人間味が残っているものと思いたい。