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世界的な法律会社として北朝鮮の人権問題の改善に積極的に乗り出しているアメリカのDLAパイパー(Piper)のジェアード・ゲンサー(Jared Genser・写真)弁護士は、”韓国政府の無条件な対北支援が北朝鮮の変化を先延ばしにしている”と批判した。

ゲンサー弁護士は6日、デイリーNKとの書面インタビューで、“北朝鮮に対するすべての支援は、国連とWFP(世界食糧計画)、FAO(国連食糧農業機関)、UNICEFのような国際機関を通じて行われなければならない”と、このように明らかにした。

また、“北朝鮮の核実験以後の韓国政府の対北支援の中断は非常に鼓舞されるものだったが、最近再開していることを知った”と述べ、“韓国の無条件な対北支援は、北朝鮮を国際社会との協力から回避させている”と批判した。

更に、“無分別な対北支援の中断を韓国政府に促す”と語った。

ゲンサー弁護士は“韓国は北朝鮮を変化させることができる堅固なてこを持っている”と述べ、‘北朝鮮を変えようと選択するだけで’韓国政府は大きな役割を果たせると語った。これに対して 、“太陽政策は制限された結果をもたらすだけ”と言い、対北政策が変化されなければならないと示唆した。

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DLAパイパーは昨年末、北朝鮮人権アメリカ委員会とともに、’保護の失敗: 北朝鮮に対する国連安全保障理事会の行動を促す’という報告書を作成,し、国連安保理に提出している。ゲンサー弁護士は中国、ミャンマーの反体制者の釈放運動を展開するなど、アジア地域の人権改善でも先頭に立ってきた。

ゲンサー弁護士は、“北朝鮮の人権状況は世界最悪”と言い、“国際社会が乗り出して、北朝鮮で何が起こっているのか、情報を収集して変化を促さなければならない”と主張した。

更に、“核問題が解決されるとしても、飢餓、人権問題などが解決されるまで、国際社会と北朝鮮の関係が正常化されることはないだろう”と述べ、国際社会が北朝鮮の人権問題と核問題を同時に扱わなければならないと要求した。

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一部の人権団体による、金正日を国際刑事裁判所(ICC)に提訴する動きに対しては、“短期的には実現不可能だ”と述べ、“今は北朝鮮の住民の苦痛を軽減させ、これについて議論することがより重要”と明らかにした。

[以下はインタビューの全文]

- 北朝鮮の人権のための活動をするようになったきっかけは?

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私はミャンマー、中国、タイ、ベトナムなど、アジア地域の多くの国の人権改善に取り組んできた。こうした問題に関心を持っていたため、北朝鮮人権アメリカ委員会が北朝鮮の人権に関する活動を提議してきた。私は北朝鮮人権アメリカ委員会との数回にわたる対話を経て、共に活動することに同意し、私が働いていた法律会社、DLAパイパー(Piper) も賛同するようになった。

私たちの活動の主要プロジェクトは、北朝鮮の人権と人道主義的地位に関するものだ。バーツラフ・ハベル前チェコ大統領、ノーベル平和賞受賞者のエリー・ウィーゼル氏、シェル・マグネ・ボンデビック前ノルウェー総理も共に活動している。

- 北朝鮮の人権状況をどのように説明することができるか? また、どのように解決しなければならないと考えているか?

北朝鮮の人権状況は世界最悪だと思う。餓死と飢えという無惨な状況の裏には20万人以上の住民たちが北朝鮮全域の大規模な政治犯収容所に収監されているという事実も存在する。北朝鮮の人権問題をただちに解決する方法や容易な答えはない。すべての政府、NGO、国連のできる仕事は、北朝鮮で何が起こっているのか情報を収集して、北朝鮮の変化を促すことだ。

- 先月末に国際人権団体がスイスのジュネーブで開かれた北朝鮮人権シンポジウムに参加した。どのような成果があったか?

不幸にも北朝鮮は国際社会から孤立しており、数百万人が餓死した1990年代半ばまで、この国の状況を理解する人はほとんどいなかった。しかし、今は1万人以上の脱北者が韓国におり、彼らを通じて食糧の状況や収容所制度などについて多くの情報を得ることができる。

ジュネーブの会議で私たちは、北朝鮮の人々があう苦痛に対して、外交官や人権委員会、NGOとの教育について決めた。よい討論ができたと思う。

これに関し、現在私たちは昨年発表した’保護の失敗: 北朝鮮に対する国連安全保障理事会の行動を促す’という報告書を通じて、北朝鮮の状況を知らせている。2006年11月に報告書が出た後、ロンドン、東京、ソウル、ブリュッセル、ジュネーブ、ワシントン、ニューヨークなどで私たちの報告書と提案について討論するため、重要な政策立案者たちに会った。

- 一部の人権団体は金正日を国際刑事裁判所(ICC)に提訴しようとする動きを見せている。これに対してはどのような立場か?

短期的に見れば、実現不可能だと思う。ICCに提訴するためにはまず、国連安保理の国連憲章第7章が要求されるが、国連安保理が北朝鮮の人道主義、そして人権問題に関心を持つようにすることも大変だと思う。

もちろん、我々の報告書では北朝鮮で起こっていることを’人類に反する犯罪’と規定している。しかし、これは(金正日に対する形事裁判ではなく)北朝鮮の人民の苦痛を軽減させるための、国際社会の介入義務という側面から定義したものだ。国際法違反で彼ら(金正日政権)を裁判と告訴に導き出そうとする試みはむしろ古いもののように思われる。今は実際に北朝鮮の人民の苦痛を軽減させ、それに対して議論することがより重要だと考える。

- 北朝鮮に対する韓国政府の態度を評価するなら?

太陽政策は制限された結果のみをもたらす。韓国は北朝鮮を変えることができる堅固なてこを持っている。もちろん、北朝鮮を変えようと選択するならばだ。核実験以後、無条件の対北支援の中断は非常に鼓舞されるものだった。しかし、最近再開されていると聞いた。

我々は北朝鮮に対する無条件の対北支援を中断することを韓国政府に促す。このような無条件の支援は、北朝鮮に国際社会と協力することを拒否させる。北朝鮮に対するすべての支援は国連とWFP(世界食糧計画)、FAO(国連食糧農業機関)、UNICEFのような国際機関を通じて行われなければならない。

- 北朝鮮問題が核問題だけに集中されており、人権問題が等閑視されていると憂慮する声が大きい。

長い間国際社会は、北朝鮮の住民の苦痛よりも、核問題を優先してきた。しかし、この問題は同時に扱われなければならない必要がある。6ヶ国協議で進捗を見せて嬉しく思う。しかし、北朝鮮が経済、食糧政策、飢餓、人権問題などの根本的な問題を扱うまでは、たとえ核問題が解決されるとしても、国際社会と北朝鮮との関係が正常化されることはないだろう。

- これからの計画は?

北朝鮮を圧迫するためにイギリスとアメリカそして欧州議会と国連などを通じて、多様な角度から働いている。我々のすべての計画をまだ公開できないことに対して理解してほしい。だが、ハベル前大統領、ウィーゼル教授そしてボンデビック前総理と共に、可能なすべての窓口を通じて、北朝鮮の住民の立場を代弁するつもりである。