「進歩」と「保守」を、これからは「左派」と「右派」と呼ばなければならないという主張が出た。
ソウル大学のパク・ヒョジョン教授は2日に、正しい社会市民会議が主催した「正名シンポジウム: 韓国の左派, 果たして進歩か」という主題の討論会で、「進歩という言葉は人々に 『良い感じ』を与える言葉として位置づけられた」と述べ、「左派勢力は進歩という言葉を先に獲得することで、韓国社会で『理念的ヘゲモニー』を掌握した」と主張した。
また、「進歩と比べて保守という言葉は、単純に『過去の物を守る』という守旧の概念で使われており、良くない言葉として位置づけられた」と言い、したがって「韓国の左派が言葉遊び(language game)で優位な立場を獲得することになった」と述べた。
パク教授は「左派を『進歩』と呼ぶのは、『政治的正しさ(political correctness)』の一つの表現とは言えない」と言い、「進歩と保守は社会的状況によって変わる」と説明した。
更に、「旧ソ連や東欧では共産主義を守ろうとする勢力が保守、共産主義を変えようとする勢力が進歩になった」と指摘し、「進歩や保守は『理念』ではなく『状態』を現わす言葉だから『右派』も『進歩』になることができるし、『左派』も『保守』になることができる」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面特に、「左派勢力は北朝鮮の人権に対する自分の立場から明らかにしなければならない」と述べ、「世界が北朝鮮の収容所と金正日に対する一人崇拜を嫌っているのに、北朝鮮の人権に対しては一言も言わないで、むしろ韓国の人権が誤っていると問題視している」と語った。
また、「一時反戦反核を叫びながら、平和主義者だと自分のアイデンティティを強調していたが、ある日突然北朝鮮が核を持ってから巧みに『反核』に陥れて、『反戦平和運動』に変えた奇妙な『親北朝鮮主義者』と『従北主義者』の行動を見ながら、どうして『進歩』と呼ぶことができるだろうか」と嘆いた。
また、討論に参加したイ・ミョンヒ自由教育連合代表は、「全教組は進歩であるはずがない」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面イ代表は特許法の例をあげて、「進歩は(新しさを象徴する)特許と非常に密接な関係にある」と言い、「全教組は現実を改善するための問題解決ではなく、一世紀前のイデオロギーをつかんで、代案のない批判と不正を事としており、守旧的な内容に進歩という特許を与えることは言語道断」と主張した。
イ代表は、「全教組は進歩とは距離が遠くて、むしろ守旧勢力というのが真実に近い」と述べた。
北朝鮮民主化ネットワークの韓基弘(ハン・ギホン)代表は、「韓国の左派は苦痛を受けている北朝鮮の住民よりも、自らの政治的利害関係を先に立たせている」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓代表は「進歩が重視する人間、特に政治社会的弱者の尊厳性を重視する進歩と見るのは困難な、徹底した二重的、政治的態度を見せている」と指摘した。
韓代表は更に、「正名の立場から見たら、従北反人権勢力、左派、左派進歩など、その行動の具体性によって別の呼び方をしなければならない」と言い、「実際に韓国社会に存在する従北勢力は、実は金正日独裁の追従勢力に過ぎず、進歩や左派に分類するのは困難」と付け足した。
一方で韓代表は、「最近社会民主主義連帯のチュ・デファン代浮竦i歩新党のノ・フェチャン共同代浮など、左派陣営でも北朝鮮の人権問題の深刻性を訴える勢力が登場したことは非常に肯定的な現象」と語った。
時代精神のホン・ジンピョ常任理事は、「新自由主義への反対は、現在韓国の左派勢力が一番核心的に追求する方向であると同時に価値」と述べ、「自ら左派勢力の一員だと思っている知識人や市民活動家の大多数は、北朝鮮政権や民族主義、民主主義などに対する立場の差があるにもかかわらず、新自由主義への反対では一体感を持っている」と指摘した。
また、「韓国の左派勢力が進歩というブランドを享受する資格があるのか、根本的に見直す必要がある」と言い、「韓国の左派勢力の理念志向性が大きく弱まっており、現実には彼らの主張は利益集団の私的利害の追求とかみ合っている」と主張した。
ホン理事は左派と右派の間の消耗的な理念葛藤を解消するためのものとして、▲政策論議の活性化 ▲科学的で実証的な態度の必要性 ▲利益集団の影響の減少 ▲ 80年代の追憶と情緒からの脱皮をあげた。