人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

タイ政府が2日、ラオスとミャンマーの国境地帯に密入国して逮捕された脱北者52人を北送するという方針を公開し、その背景が注目されている。

この間、タイ政府は密入国した脱北者に対しては軽い処罰の後、追放してきた。脱北者の大部分は追放の形で韓国に入国した。今回の52人の脱北者もこうした過程を踏む可能性が高い。

タイ警察は“脱北者全てをチアンライ地方の裁判所に行かせて、密入国罪で処罰した後、北朝鮮に放逐する方針”と明らかにした。脱北者に対して比較的穏健な態度をとってきたタイ政府が’北送’の方針を公開し、脱北者と支援団体に緊張が走った。

◆ 52人の脱北者、韓国行が有力 = タイ政府が未だに脱北者を強制北送させる可能性は高くないというのが、現地の事情に詳しいNGOの活動家らの意見だ。

タイには国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が駐在しており、伝統的にタイ政府は人道的な問題に寛大な政策をとってきているためだ。韓国、アメリカとの外交関係を重視する立場も反映された。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

国内の脱北者支援団体の活動家は、“脱北者らの密入国が急増して、タイ政府が頭を抱えているため、国境地域の取り締まりを強化する可能性がある”と語った。

タイは1951年に締結された‘難民の地位に関する国連協約’に加入していない。したがって、脱北者の難民の地位を認めない。しかし、タイの国内法に基づいて脱北者を不法入国者とみなし、6千バーツ(約16万ウォン)の罰金を払うか、その罰金の金額にあたる日数の拘留処分を受けるなど、比較的軽い処罰をしてきた。

ド・ヒユン、被拉脱北人権連帯代表はデイリーNKとの通話で、“タイはミャンマーやベトナムなどの難民問題に対して寛大な立場を見せてきた”と述べ、“中国の脱北者の強制北送が国際的な問題として頭をもたげている状況で、実際にタイが北送を選択することは難しいだろう”と予測した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

チョン・ギウォン、トゥリハナ宣教会牧師も、“タイ政府は対外的に脱北者を北送すると言っているものの、実際にそれは容易ではないだろう”と語った。

◆ 密入国を阻むために北送警告 = タイ政府は去年から脱北者の密入国が急増すると、ラオス及び国境地域などに対する取り締まりを強化した。

タイが第3国に行くための中間経由地として注目され、2005年度には警察に逮捕された脱北者も50人余りにとどまったが、去年は400人余りに急増した。タイの移民局には現在、150人以上が収容されており、韓国などの第3国への移動を待っている。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

タイの情報関係者らはバンコク市内に潜伏している脱北者の数は少なくとも数千で、最大1万人を超えると推定している。タイ政府は彼らが更に増加する場合の犯罪などの社会的問題を憂慮して、国境地域の取り締まりを強化していると伝えられた。

したがって、脱北者らの密入国を最小限に止めるために、タイ政府が異例に脱北者を北送すると明らかにしたと思われる。中国などに潜伏している脱北者に対する、タイに密入国しようとして逮捕されれば北送されるという一種の警告であると思われる。この間、タイ政府は脱北者に北送されるという警告をしたことがあるが、公表したのは今回が初めてだ。

更に、タイ政府はタイ駐在の北朝鮮大使館から、‘脱北者問題は自国の問題なので協力してほしい’という要請を継続して受けてきたと伝えられた。タイ政府は脱北者が急増すれば、これ以上北朝鮮大使館の要求を見逃すことができないと判断、北送を公言したとも思われる。

チョン・ギウォン牧師は“この間、タイ政府は逮捕した脱北者が北送されると警告してきたが、結局、軽い処罰だけ受けて韓国などに追放される”と述べ、“タイ政府が密入国する脱北者が急増し、公に北送すると明らかにしたようだ”と語った。

◆ 脱北者がタイに押し寄せる理由 = タイ政府の国境取り締まりが強化されて、北送を公に警告しても、脱北者の密入国は大きく減らないと観測される。

タイ北部のチアンライ-ラオス-中国国境地域は密林地域で、国境の取り締まりを強化しても大きな効果を発揮することができず、脱北者が密入国ルートとして容易に利用することができるという長所がある。

中国などに潜伏している脱北者の間では、韓国などの第3国に行くことができる可能性が最も高い所としてタイをあげている。脱北者がタイ以外、例えばモンゴル地域に脱出する場合、気候条件と地理条件上、危険要素が更に増す。モンゴル地域に行く場合、険しい山岳を越えなければならないが、タイを選ぶ場合、暖かい気候で、川を渡る危険性も低いと言う。

また、脱北者はベトナムの場合、取り締まりがとてもひどく、ミャンマーでは金品を奪われたり暴力にあうなどの危険が多いと言われ、90%以上がラオスを経由してタイに密入国すると伝えられた。

2006年の初めにタイを経て国内に入国したキム・チョルマン(仮名)氏は、“中国に身を隠している脱北者の大部分はタイに行こうとしている”と述べ、“多くの脱北者がタイに密入国して、韓国に入国したという情報が入り、自然とタイ行きが好まれるようになった”と語った。