北朝鮮政府が、同国が人工衛星だと主張している「光明星2号」を発射すると、国際民間航空機関(ICAO)や国際海事機関 (IMO) など、国際機関に伝えたと明らかにした。
朝鮮中央通信は12日に、「朝鮮宇宙空間技術委員会がしばらく前に発表した、試験通信衛星「光明星2号」を、運搬ロケット「銀河2号」で発射するための準備の一環として、該当の規定にのっとってICAOやIMOなどの国際機関に、飛行機と船舶の航行の安全に必要な資料が通知された」と明らかにした。
これについて対北情報消息筋が、「北朝鮮が人工衛星だと主張している光明星2号を、来月4~8日の間に発射すると、国際海事機関(IMO)に知らせた」と言ったと、聯合ニュースもこの日報道した。
朝鮮中央通信はまた、北朝鮮が最近、「月やその他の天体を含んだ宇宙の探査と利用で、各国の活動の原則に関する条約(宇宙天体条約)と、宇宙空間に打ち上げた物体の登録に関する協約(宇宙物体登録協約)に加入した」と報じた。
通信はまた、「北朝鮮がこうした国際宇宙条約に加入したことは、平和な宇宙科学研究と衛星発射の分野で国際的な信頼を増進させて、協力を強化するために貢献することになるだろう」と述べている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会は先月24日に、「試験通信衛星である『光明星2号』を運搬ロケット『銀河2号』で発射するための準備が、咸鏡北ファデ郡にある東海衛星発射場で本格的に進められている」と発表していた。
北朝鮮は1998年に、国際社会では「テポドン1号」と呼ばれる長距離ミサイルを、地球人工衛星だと主張し、「光明星1号」と表現した。「光明星1号」を発射した時は、航空機や船舶の安全な航行に必要な、ICAOとIMOへの事前通知手続きを行わず、国際的な非難を浴びた。
北朝鮮が今回国際機関に事前に通知し、宇宙条約に新たに加入したことは、「光明星2号」が「人工衛星」であることを国際社会に認識させるためのことと思われる。また、国際社会の懸念にもかかわらず、必ず発射するという意志を明らかにしたことであるとも考えられる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面国防研究院のキム・テウ副院長は「デイリーNK」との通話で、「北朝鮮が主張する『光明星2号』の発射の合法性を認められて、アメリカや日本などの迎撃を回避するための努力の延長線」と言いつつも、「北朝鮮が国際機関に発射に関する通知をしたと言っても、ミサイル問題が解決されたわけではない」と指摘した。
また、「北朝鮮が関連条約に加入したとしても、最近まで世界に対して、透明性を示す姿を見せたこともない」と言い、「むしろ、核兵器やミサイル開発に没頭してきた北朝鮮だから、北朝鮮が軍事的な威嚇をしているという疑いを晴らすのは難しいだろう」と予想した。
キム副院長は更に、「アメリカや日本など国際社会の、北朝鮮のテポドン2号の発射の動きへの対応は変わらないだろう」と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面実際に、アメリカを含めた国際社会は、北朝鮮が打ち上げを準備しているものが人工衛星だとしても、国連安保理の決議案の違反という立場をとっている。米国防省も11日に、北朝鮮の宇宙発射(space launch)は、ミサイルと人工衛星の両方に使用することができる技術であるため、国連安保理決議に違反することだと明らかにしている。