北朝鮮では去年、この数年で最大の豊作だったが、食糧不足の問題の解決は難しいという予想が出ている。
ピーターャ桃総ロ経済研究所(PIIE)のマーカス・ノーランド研究員と、UCサンディエゴのステファン・ハガード教授が5日、ハワイの東西センターが発行する「亜太機関誌」で、北朝鮮の住民は今年も食糧を求めるために、多くの努力をしなければならないだろうと予想した。
機関誌では、「北朝鮮は去年、食糧の生産量が増えたが、1990年代半ば以後最悪の食糧不足に対処するために、在庫食糧が枯渇して、ついには軍糧米まで放出した」と述べ、「北朝鮮はまず、軍糧米から補うと予想され、北朝鮮の住民の苦痛は続くだろう」と述べている。
2人の著者によると、2008~2009 穀物年度の北朝鮮の食糧生産量は、国連食糧農業機関(FAO)が343万トン、アメリカの農務省が311万トン、韓国の農村進興庁が431万トンと推定しているという。
著者は、「北朝鮮の住民の最低の食糧要求量は315万トンで、飼料用などを含めた全体の最低食糧要求量は434万トンと推定されている」と言い、「今年、北朝鮮は住民が暮らすために必要な最低の要求量よりも、全体の規模は多少残るだろう」と指摘している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方で、「北朝鮮は去年厳しい食糧難に陥り、在庫の食糧も底をつき、今年の余剰食糧は、去年食糧危機を解消するために放出した軍糧米を、優先的に満たすために使うだろう」と述べ、「住民のために使うことができる食糧は、かなり制限されるだろう」と付け足した。
2人の専門家はまた、「北朝鮮の分配システムが完全に崩壊して、地域間・社会経済階層間の食糧配給の格差が拡大し、外部の食糧支援が大幅に減って、更に国際的な穀物価格の上昇によって、北朝鮮の食糧購買能力が大きく低下した」と指摘し、「今後も食糧問題は北朝鮮政府にとって頭痛の種になるだろう」と述べた。
ピーターャ桃総ロ経済研究所(PIIE)が去年11月に、韓国に定着した脱北者300人を対象にアンケート調査を実施した結果、回答者の56%が北朝鮮に住んでいた時に、「外部の食糧支援の事実を知らなかった」と答えたという。また、食糧支援の事実を知っていた人のうち、「支援食糧は軍隊や党、政府の関係者に支給されたのだろう」と信じている人が96.1%に達すると指摘した。