[特集] 2008年12月に入手した、最新の北の幹部用「学習参考資料」を分析
北朝鮮で住民たちを教育する時に使われる、幹部の「学習参考資料」が入手された。今回手に入れた資料は、住民に北朝鮮政府の政策を宣伝する幹部が参考にする「解説書」の形式のもので、全部で20ページある。特に、資料の発行日が2008年12月(主体97年12月)と最近の物であり、2008年を総括して北朝鮮政府が住民にどのような内容を教育したのか、知ることができる重要な資料だ。
《担い手が真の人民の忠僕になろう》で始まるこの文件は、《我々の党の農業革命の方針の主要な内容は何か?》、《党と国家が実施する人民の施策の重要な内容は何か》など、あわせて12種類の主題について解説している。
特に、《高い対敵観念を持ち、秘密を徹底的に守ることについて》という項目で、「すべての人民が革命的警戒心を持ち、事業と生活で秘密を徹底的に守ること」と強調しており、最近北朝鮮内部の動向が外部に知られていることに対し、当局が極度に敏感な反応を見せていることが確認できる。2008年12月に北朝鮮の幹部が活用した「学習参考資料」の主な内容を紹介する。
《高い対敵観念を持ち、秘密を徹底的に守ることについて》
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面今回入手した幹部用「学習参考資料」で特に興味深い部分は、《高い対敵観念を持ち、秘密を徹底的に守ることについて》という教育内容が含まれているという点だ。金正日重病説以後、北朝鮮内部の動向が外部に流出することを極度にはばかる北朝鮮政府の悩みが伺われる。
文件は「高い対敵観念を持ち、秘密を徹底的に守るために重要なことは何か」と問い、 ? 高い秘密観念を持つこと、? 革命的警戒心を持ち、事業と生活で秘密を徹底的に守ることを体質化すること、? 階級的立場に確固として立ち、秘密を洩らす現象と力強く闘争することなどを強調している。
文件はこれ以外にも「機関、企業所の出入りの秩序、警備の秩序を厳格に行わなければならない」、「機密文件事業を責任を持って行い、コンピューターを通じて秘密が洩れないように格別の関心を向けなければならない」、「電話で事業に属する内容をむやみに言ってはならない」など、具体的な行動について解説している。特に、幹部たちの役割が重要だと述べ、「秘密は党と国家、軍隊の生命ということをいつも肝に銘ずること」と言い、「ささいな秘密の漏えい現象も即時に問題にし、適時に直さなければならない」と強調している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面これと関連し、「デイリーNK」は12日に「国家の秘密を守れ…北、住民教育を強化」という記事で、金正日重病説以後、北朝鮮政府が各機関の文件の管理体系を新しく改編する一方、住民に対する「国家の秘密を徹底的に守ろう」という内容の教育を拡大していると報道した。新聞は北朝鮮内部の消息筋の言葉を引用し、「最近国家レベルで秘密を厳守することに対する問題をめぐり、ほとんど毎日講演会や人民班の会議が開かれている」と述べ、「朝の独歩時間から学習、講演会に至るまで、『国家の秘密を徹底的に守ろう』という内容しかない。この2ヶ月間、国家の秘密を守ることに対する講演会や人民班の会議だけでも30回以上あったようだ」と報道した。
《我が党の農業革命方針の主要な内容は何か》
今回入手した幹部用の「学習参考資料」でも、住民の「生活の問題」に関する言及が文件の全面に見られるが、以前の方針と大きく変わった部分はあまりない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面文件は幹部がまず、「人民の生活に深い関心を持ち、人民の生活を高めるために積極的に努力しなければならない」と強調している。特に、「担い手が人民の忠僕として自分自身の本分をつくすための課業と方法について」と述べ、「党の路線と政策を徹底的に貫徹しなければならない」と強調して、住民の食べる問題、着る問題、住居の問題を円満に解決するよう要請している。
文件はまた、それぞれの幹部が先頭に立って農業革命を完成させようと述べ、あわせて7つの項目にわたって主体農法式農業革命の方針について解説している。主な内容は以下のようなものである。
1) 主体農法の要求どおり、適地適作、適期適作の原則で作物と品種を配置して、肥培管理を科学技術的に行うこと。
2) ジャガイモ農業革命を起こして、二毛作を大々的に発展させること。
3) 種子革命を起こすこと。農産だけではなく畜産、果樹、養獅?ワめた農村経理のすべての部分で、種子革命を積極的に行わなければならない。
4) 微生物肥料や有機質肥料をたくさん生産すること。
5) 土地整理事業を力強く行うこと。
6) 農村経理の水利化を、更に高い水準で完成すること。灌漑施設と設備を技術的に更新して、治山治水事業を全群衆が力強く推進すること。
7) 農業科学技術で革命を起こすこと。