12日、リビアの首都トリポリで発生した韓国大使館襲撃事件は、韓国政府が在外国民の保護策強化を進めていた矢先の出来事だった。リビアには現在、約40人の韓国人が滞在している。
中東地域では、過激派組織「イスラム国(IS)」の勢力伸長などにからみ、紛争が激化。今回の襲撃事件も、ISの「トリポリ支部」を名乗るグループがツイッター上で犯行声明を出している。
こうした事態を受け、韓国外務省は2月11日、「在外国民保護を強化するための関係省庁対策会議」を開催。これまでは年に2回だった緊急対応訓練の回数を4回に増やし、関係省庁との連携を密にするなどの方針を打ち出していた。
とくに昨年6月、イスラム民兵隊「リビアの夜明け」がトリポリを掌握した後、8月に駆逐艦「文武大王」を派遣してリビアにいた韓国人の大半を第3国に脱出させた事例を踏まえ、軍艦や哨戒機などの派遣手続きをより迅速に進めることも決められている。