人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

◆ 張成沢は強硬派?…金正日の命令だけに従う

2年ぶりに北朝鮮の権力の中心部に復帰した張成沢は、失脚する前よりもさらに強い影響力を持っているという。特に、金正日の健康悪化説が浮上した9月以後、北朝鮮の権力のコアとも言える労働党の組織指導部を事実上、掌握したと知られている。

張成沢は現在、公安事業や検閲事業以外にも、国内の統制事業や金日成生誕100周年記念建設事業、中央党の人事などを仕切っているという。昨年からは地方の市や郡の党組織や軍部への検閲事業も自ら管理している。

このように張成沢は金正日の信頼を基に北朝鮮のナンバー2に浮上しているが、様々な検閲や統制措置を強いているため、彼に対する世論は急速に悪化している。

平壌の内部消息筋は「一般の住民だけではなく、幹部の間でも『張成沢は天下の奸臣』という話が出るほど不満が大きくなっている」と話している。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

したがって、張成沢の権力が大きくなるほど、北朝鮮の統制政策はさらに強まるという予想も出ている。韓国・統一研究院のパク・ヒョンジュン先任研究委員は最近発表した論文で、「張成沢が再登場した2006年以後、北朝鮮は保守的な政策に変わった」と分析した。

韓国安保戦略研究所のキム・クァンジン責任研究委員は6日にディリーNKとの電話インタビューで、「張成沢が市場のコントロールなど、社会統制政策をとったため、経済政策の面では強硬派として見ている人もいるが、市場経済的な要素を盛り込んだ7.1経済改善管理措置や工場の現代化のような経済政策も推進している」と説明した。

現在張成沢は、保守と開放、2つの役割を全てこなしているともいえる。金正日の健康が悪化し、自分が細かいところまでチェックできなくなり、最も信頼できる張成沢に様々なことを頼んだと思われる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

しかし、北朝鮮で政府高官だった脱北者イ氏は、「北朝鮮では金正日以外に決定権を持っている人はいない。張成沢は金正日の命令を遂行しているだけだ」と分析した。

また、「張成沢は社会統制の面で影響力が強いため、開放や市場化措置に反対する人物だといわれているが、北朝鮮でも革命資金を用意・管理するなど、経済問題でも経験が豊富なため、個人的な判断で開放政策に反対することはない」と説明した。

「金正日の統治が揺らがない限り、張成沢の役割も制限的だ。張成沢も賢いから、金正日が快復してから自分が責任を負うことはしない」と強調した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

◆ 金正日が後継者を決定…張成沢は支援するだけ

張成沢と関連した問題の中で最も注目したいのは、北朝鮮の後継者問題における彼の役割だ。

一部では金正日が幼くて経験が浅い自分の息子たちより張成沢に一時的に権力を譲渡する可能性もあるといわれている。また、金正日が急死した場合、張成沢を中心とした集団指導体制が構築されるという予想も出ている。
実際に、金正日が脳卒中で倒れ、公の場で活動ができなくなった際に、張成沢が実際に北朝鮮を統治したのではないかと推測する報道が相次いだ。

こうしたマスコミの反応について韓国・統一研究院のチェ・ジンウク北朝鮮研究室長は「現在、張成沢が北朝鮮を統治している。金正日の健康に問題がなかった時も、他の高官らが張成沢を訪れ、政策について話し合いをしているのが目撃されている。金正日の死後、彼が北朝鮮を統治する可能性は高い」と分析した。

アメリカの情報機関も金正日の健康悪化で代理人が必要な時や死亡した場合、張成沢が最も重要な役割を果たすと分析している。

こうした分析以外にも、張成沢と金敬姫が金正日の長男である金正男を後継者としてバックアップしているが、組織指導部のリ・ジェガン第1副部長などは次男の金ジョンチョルを後継者として支持しているという意見も出ている。

毎日新聞は昨年12月に北朝鮮の権力階層と近い関係にある関係者の話を引用し、金正日の後継者である長男・金正男を支持している張成沢部長は2007年末、リ・ジェガンに『後継者は金正男に絞る』ということを要請したが拒まれた。そのため2人の間に亀裂が生じた。さらに、金正日の健康も悪化し、後継者問題の行方はわからなくなってきたと報道した。

これについてキム・クァンジン研究委員は「後継者問題と関連しては金正日の判断が決定的だ」といい、北朝鮮の内部で後継者を巡る側近の葛藤はあり得ないと一蹴した。

北朝鮮では誰が誰を「押す」ということは想像もできない話だという。金日成が金正日を後継者に内定した際に革命の元老にアドバイスを求めたように、金正日も自分の側近に意見は聞くと思われる。しかし、側近の中の誰かが派閥を作り、後継者を「支持して押す」ということは不可能に近いという。

キム研究委員は「張成沢も権力階層の一員のため、後継者が決まれば充分な影響力を発揮することができる」と予想した。

世宗研究所のチョン・ソンジャン南北関係研究室長は、「張成沢は指導部内で評判がよく、国家保衛部や人民保安省などで行政指導権限を持っているため、万が一の時に権力を掌握するのに有利な立場ではある。しかし、金正日が近い未来に死亡したら、党の誰も金正日のような強力な影響力を持つことができない」と分析した。