北朝鮮は1日の新年共同社説で、韓国に対する既存の強硬な立場を固守したが、対外関係には具体的に言及しなかった。
共同社説は「朝鮮半島の非核化を実現して、東北アジアと世界の平和と安全を守るための、我々共和国の自主的な対外政策の正当性は、日々更に力強く誇示されている」という、一般的な口調だった。
更に、「今後も自主、平和、親善の理念の下、我々に友好的に対する国々との関係を発展させて、世界の自主化という偉業の実現に積極的に貢献していく」と主張した。
去年の共同社説でも「北朝鮮に友好的なすべての国と親善協助関係を発展させる」という一般的な対外政策だけ言及した。
これは「アメリカが対朝鮮敵視政策を放棄すれば、我々には核を持たなければならない理由はない」という、朝鮮半島非核化理論の延長線上にあるものと思われる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ただ、新たに出帆するアメリカのオバマ政府に、「我々には核交渉の意志がある」というメッセージを、共同社説を通じて送ったに過ぎない。
最近、新年共同社説で対外関係について具体的に言及しないことには、あらかじめ対外関係の路線を明らかにすることで「カード」を早く取り出して見せる必要もなく、足を取られるようなこともしないという意思が見え隠れする。
したがって既存の崖っぷち戦術と、懸案を切り刻んで交渉する「サラミ戦術」などの核交渉戦略戦術は続けるという意味であると見ればよさそうだ。「朝鮮半島の非核化」という単語を指摘したのは、北朝鮮に関心がないオバマ政府の関心を引こうとしたからだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮が新年共同社説で核問題に言及したのは、2004年に「核問題を対話を通じて平和的に解決する」という原則的な立場を表明したことと、2007年に「我々が核抑制力を持つようになったことは、誰も触れることができない不敗の国力を切望して来た、我々の人民の世紀の宿望を実現した民族史的慶事だった」と主張したのが全てである。
高麗大学のユ・ホヨル教授は「アメリカを名指ししているわけではないが、『友好的国家』と言及したのを見ると、次期オバマ政府に対する期待が現れているように見える」と分析した。
オバマ政府に対する北朝鮮の「期待」は、オバマ大統領の就任式前後の、金桂冠外務省次官など、北朝鮮の高位関係者の訪米の推進、去年11月のアメリカ大統領選挙の直後にニューヨークを訪問した、リ・グン外務省アメリカ局長と、オバマ陣営の朝鮮半島政策チーム長であるジャヌジー氏との接触などにもその一端が見える。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面アメリカとの関係改善に対する北朝鮮のこうした意志には、「通米封南」戦略で韓国政府を圧迫しようとする意図もあると思われる。
ソン・デャ盗「宗研究所所長は、「通米封南をするという基本的な骨格には変化がない」と述べ、「これはオバマ政府に対するメッセージであると同時に、アメリカを通じて韓国を『手懐ける』という意志」と話した。
今回の共同社説の対外関係で、アメリカや中国、ロシア、日本などの国名が一度も言及されていないという点も大きな特徴だ。そのため、2009年の北朝鮮の対外関係の方向を大きく3種類に分けて推測することができるだろう。
第一に、対外関係を非常に弾力的に進めるという意図があると思われる。既存の伝統的な中朝関係から、アメリカとの関係改善にもう少し移動するという意図が隠れているということだ。脱中近米を試みる可能性があるということである。
第二に、対外関係について言及しないことで、2009年には対外関係の活動よりも、対内の結束に重点を置くという意味もあるだろう。つまり、「我々式社会主義」の復旧に最大限、政治的な力を注ぐという解釈も可能である。
第三に、韓国を持続的に批判しているが、中国やアメリカなどについて言及しないのは、韓国を「私たちどうしの協力」に誘導しようとする戦術かも知れない。
もちろん、上述の3種類が混在しているのだろうが、敢えて1つだけあげるとすれば、2009年の北朝鮮政権の最大の関心事は、やはり内部の結束であり、対外的には中国とアメリカの間に二股をかける戦術をとる可能性がある。この過程で過去の10年のように、韓国の自発的な支援を得ようとしていることに注目する必要があるだろう。