北朝鮮は公式に金日成・金正日の誕生日を民族最大の祝祭と宣伝し、大規模な行事を行っているが、一般の住民にとっては1月1日が最も大きな祝祭だ。
北朝鮮政府は1989年から旧暦のお正月を民族の祝祭として宣言し、休日にしているが、住民はまだ1月1日がお正月だと考えている。
お正月になると、北朝鮮の住民は様々な行事や公演、遊びなどを楽しむ。
お正月の前日からおせち料理の準備で忙しい。労働者もこの日だけは普段より早く仕事を終わらせる。他の祝日には生活総和や講演会、学習などがあり、早めに仕事を切り上げられることはあまりない。
1月1日の早朝には先祖への祭祀を簡単に行う。それから工場や企業所、人民班ごとに金日成の銅像やモザイク、壁画などのようなところに集まり、忠誠を誓う花束を献花する。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面行事の場で会った友達や職場の人たちと一緒にお酒を飲んだりしながら、正月を楽しむ。
国の1年間の行動指針を発表する「新年共同社説」は朝9時にテレビや有線放送で中継し、その後、子供たちが準備したお正月の特番が放送される。祝祭と関連した新しい芸術映画を放送することもある。
子供たちは凧揚げ、チェギ蹴り、こま回しなど様々な遊びを楽しみ、大人は将棋やユッ遊び、カードゲーム、花札などの娯楽を楽しむ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面お正月には全国の工場、企業所が電気を遮断するために、住民に電気を供給することができ、テレビの視聴ができる。
おせち料理の準備も家ごとに異なる。職場や町の事務所では祝祭供給というものが出る。貿易機関や権力機関からは豚肉や酒が出るが、他の職場では考えられないことだ。
お正月の前に世帯別に酒や味噌、そして市・郡単位の食糧工場で生産したレンガ菓子(とても硬いため、付けられた名前)などが供給される。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面生活が苦しい人でもお正月だけは市場で肉や豆腐、大豆もやし、ワラビなどを買い、おせちの支度をする。
お正月を過ごす北朝鮮の住民にとって最も負担になるのは、なんといっても「新年共同社説」を学習することだ。職場の人だけではなく、女性同盟に所属している主婦も共同社説の原文を学習しなければならない。
新年の初出勤で、各単位の党責任者たちが共同社説の暗記を検閲する。そのとき、よくできた人は党への忠誠心がとても高い人として評価される。
共同社説の発浮ニ関連し、全国的に「新年共同社説の方針を貫徹するための集会」が組織されるため、様々な政治集会にも参加しなければならない。その模様を朝鮮中央テレビが午前中に中継する。
しかし、1995年以後、北朝鮮ではお正月を楽しみに思う人があまりいない。共同社説の暗記はこれまでしてきたことであり、特に変わることはないが、お正月が終わると本格的に冬の肥料作りに動員されるので、それがとても重荷になるという。