金正日の健康悪化説が広まり、北朝鮮政府は各機関の資料管理システムを新しく見直すのはもちろん、「国の秘密を徹底して守ろう」という内容で住民を教育していると北朝鮮の内部消息筋が伝えた。
咸鏡北道の内部消息筋は12日にデイリーNKとの電話インタビューで、「各機関や企業所ごとに秘密厳守のための対策会議を開き、国家秘密管理システムも完全に新しくした」と話した。
各機関は金正日、中央党、内閣などの指示内容が盛り込まれている資料の保管や閲覧の手続きをさらに強化したという。
秘密資料として分類されている資料の種類が以前より増加し、普通の本棚に置いてあった資料も鍵がついている本棚に移して特別に管理しているようだ。さらに重要な資料は特別な鉄製の箱で保管しているという。
以前は工場の党書記室や支配人室などに保管されていた資料などをすべて「重要資料を保管・管理する部署」に移し、保安所の人が直接統制・点検しているという。党の書記も資料を閲覧するためには、工場担当の保衛指導員や保安員の承認を得てから重要資料閲覧台帳に登録し、それから資料の閲覧ができるという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面重要資料閲覧の台帳には、閲覧の理由や使用の目的などを詳細に記録し、事前に承認をもらわなければならないという。一般の資料もレベルによっては党の書記の承認を、重要資料の場合には担当保衛員や保安員に承認を得なければならないという。
党の幹部たちはこうした政府の措置を「国家機密を奪おうとするスパイが増加しているため」と理解している。しかし、金正日の健康悪化説がうわさされるようになった10月末から、資料の統制が始まったことは注目すべき点だ。
資料の閲覧が厳しくなり、不便になったのはむしろ幹部たちだ。同消息筋は「資料が頻繁に必要な書記や幹部さえ、資料を閲覧するたびに担当の保安員に承認を得なければならないため、管理部署に行っている。面倒なことが多い。仕事がしづらくなったという不満の声も出ている」と伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面国家機密を厳守させることと関連し、住民の教育もさらに強化しているという。
最近は国を挙げて秘密を厳守するということになり、毎日講演会や人民班の会議が開かれているという。
同消息筋は「労働党、政府機関、軍部が反スパイ作戦や秘密厳守キャンペーンを大々的に行っている。国境警備隊では兵士たちに警備隊の内部秘密を誰かに漏らしたかということに関する『告白状』を書かせている」と強調した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また同消息筋は、国の秘密が流出する実態やその被害例を住民に効果的に教育するために、党の書記や保衛部、保安署の幹部が直接講演会や人民班の会議に参加していると伝えた。
「この2ヶ月間、国の秘密を守るための講演会や人民班の会議だけでも30回以上行った。朝の読報時間、学習、講演会に至るまで、全部『国の秘密を徹底的に守ろう』という内容ばかりだ」と話した。
北朝鮮政府はこうした講演会や人民班の会議を通じて、「敵の誘惑に負けた一部の不健全な人たちが些細なお金で国の大事な秘密資料を売っている。清津、咸興、新義州などの都市で国の秘密を売り、摘発され、厳しい処罰にさらされた事例を紹介している」と強調した。
特に、講演会では「敵からもらったスパイ装備や違法な携帯電話で内部の秘密を密かに撮影している時に、現場で摘発された人もいる。今後、違法に携帯電話を使用する人は厳しく処罰するのはもちろん、家族全員が追放される」と公式宣言した。
各工場や党の書記の部屋には、「あなたの話を敵が聞いている」、作業場にも「敵の反共和国の謀略・策動から国の財産や秘密を絶対に守ろう」、列車の車両の内部にも「国の秘密を徹底的に守ろう」というスローガンが唐チてあるという。