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中朝国境を流れる鴨緑江に面した北朝鮮・慈江道(チャガンド)の満浦市で先月22日、鉄道警察と軍人との間で銃撃戦が発生し、6人が死亡した。

この事件を伝えた両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、事件が起きたのは前日の停電で恵山(ヘサン)と満浦(マンポ)を結ぶ第3列車が運休となり、列車を待つ乗客がごった返していた満浦駅の構内だ。

ある兵士の妻が子供をおぶって列車に乗ろうとした時に、列車の安全員(鉄道警察)に制止されたことが事件のきっかけとなった。兵士は民間人と異なり、軍が発行した家族きっぷを使うが、夫は荷物ときっぷを持って先に列車に乗り込んだ。

後から妻が列車に乗ろうとしたところ、安全員に止められたため事情を説明した。しかし、安全員は嘘と思い込み、乗車を拒んだ。無賃乗車が横行していることもあり、安全員が疑ったのも無理はない。

安全員と妻は口論となったが、列車はお構いなく発車しようとした。列車にしがみつこうとした妻と子どもだが、安全員に振り落とされ、亡くなってしまった。

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事故を知った夫は狂ったように安全員を殴り始めた。あまりの興奮ぶりに周りの人々も止めることができず、結局安全員は殴り殺されてしまった。

すると今度は別の安全員が激怒し、兵士に向かって発砲した。兵士の一行の憲兵たちが自動小銃で撃ち返し、それを見たまた別の安全員が打ち返すなど、駅構内は修羅場となった。一連の銃撃戦で6人が死亡した。乗客は銃声に驚き、蜘蛛の子を散らすように逃げ出したが、その過程で数人が負傷した。事件を受けて、列車の運行は中止となった。

この事件について、住民の多くは女性と子どもを列車から振り落とした安全員が悪いと責めているとのことだ。

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金正日氏は1997年から先軍政治を掲げ、軍優先を政治体制を取るようになった。その影響を受け、この2〜3年で兵士と保安員(警察官)との間でトラブルが頻発するようになっている。