オバマ次期大統領の新政府は、ブッシュ政府よりも北朝鮮の人権政策で消極的になる可能性が高いため、韓国政府は国際協力の強化のために努力を傾けなければならないという主張が出た。
開かれた北朝鮮放送のハ・テギョン代表が10日午前、ハンナラ党人権委員会(委員長イ・インギ)と委員会傘下の北朝鮮人権改善小委員会(委員長ホン・イルピョ)が共同主催した「北朝鮮の人権改善シンポジウム」で、「オバマ政府は北朝鮮の人権問題よりは核問題を集中的に取り上げるだろう」と予想した。
ハ代表は「北朝鮮が核問題に対して協調的に出れば、それに相応する経済補償をしながら同時に人権問題を取り上げるが、副次的に処理する可能性が高いと思われる」と述べ、「だが、核問題がうまく進展しない場合は、北朝鮮の人権問題の優先順位が高まる可能性も十分にある」と予想した。
特に、「オバマ政府の対北政策はジョセフ・バイデン次期副大統領が主導する可能性が高い」と言い、「バイデンは2004年にアメリカで北朝鮮人権法が通過した時、そのレベルを緩和させようとしたため、北朝鮮の人権を取り上げるだろうが、その重要性はあまり高く置かないという立場を見せている」と分析した。
したがって、「韓国は北朝鮮の人権問題が核問題と対立するのではなく、核問題を解決するのに役に立つという論理をよく開発して、説得するように努力しなければならない」と言い、「政府レベルでは韓.米.日の政策調整機関である TCOG(Trilateral Coordination and Oversight Group)を上手に活用することも良い方案になるだろう」と提案した。
討論者として参加した北朝鮮人権記録保存所のユン・ヨサン所長も、「アメリカのオバマ次期大統領が就任した後、北朝鮮の人権政策に根本的な変化が見られる可能性は高くないが、ブッシュ政府と比べて消極的な対北人権政策を展開する可能性が高い」と予測した。
また、「アメリカで北朝鮮の人権問題は核問題の次の事案であり、圧迫用または交渉用に活用されただけで、実質的な人権改善の努力には至らなかった」と述べ、「しかしアメリカの対北人権政策は『人権ある抱擁』になるはずであり、アメリカ新政府の主要な人に積極的に接触したら肯定的な成果も予想できる」と語った。
ユン所長は「李明博政府の登場で、韓国政府の対北人権政策は多少積極的政策に転換されている」と言い、「国際状況を改善するために、韓国政府と市民社会の積極的な努力が必要」と強調した。
デイリーNKの孫光柱編集局長は、北朝鮮の人権問題に対する国際協力を強化するため、「韓国とアメリカと日本の『3者北朝鮮人権政策調整グループ(TCOG)』を推進しなければならない」と述べ、「民間レベルの国内外の協力のための『北朝鮮人権財団』の設立も急がれる」と主張した。
一方、ホン・クァンヒ国家安保戦略研究所長は、「北朝鮮は世界の人権関連団体による様々な調査で、『最も抑圧的な体制』に分類されており、金正日国防委員長も『最悪の独裁者』と呼ばれている」と言い、「世界の近現代史で『戦争や内戦』を除いて、どこにもこのような悲劇的な状況を見つけるのは困難」と指摘した。
更に、「北朝鮮政権には『人権』状況を改善する意志と努力が見られないが、これは『人権』問題が北朝鮮体制の支配国「と密接な関連があるため」と言い、「したがって韓国と国際社会の積極的な支援と介入がなければ、北朝鮮の人権改善の展望は非常に暗い状況」と強調した。
また、「韓国政府は国際社会との協力を強化しながら、北朝鮮の人権改善に向けた、一貫した政策を推進して行かなければならない重大な課題を抱えている」と述べ、「国際社会は『国連』の名で北朝鮮の長期的な人権侵害に対する周密な対策を立てる必要がある」と付け足した。
