北朝鮮の宣伝媒体が、金正日のサッカー観覧の消息を伝えた3日後に、再び軍部隊の視察活動を報道して、金正日の健康に関心が集まっている。
朝鮮中央通信は5日早朝に、金正日が人民軍第2200部隊と第534部隊直属の軍部隊(大隊級以下の部隊)を視察したと報道した。
通信は金正日が2200部隊の軍人と記念撮影をした写真を公開したが、部隊視察の日時や位置などは明らかにしなかった。今回の視察には、ヒョン・チョレ、リ・ミョンス、キム・ミョングク大将が随行したと通信は伝えた。
これに先立ち、同通信は金正日が2日に北朝鮮軍の「万景峰」チームと「つばめチーム」のサッカー競技を観覧したと報道している。金正日は当時公開された写真で、左腕が不自由そうな姿を見せたりと、金正日の健康をめぐり様々な意見が出た。
金正日は今回公開された軍部隊の視察写真で、冬用のコート代わりにしている防寒ジャンパーを着ており、最近撮った写真とも思われる。先月11日に公開された、人民軍第821部隊傘下の女性部隊を視察した写真では、写真の背景などの問題のため、撮影したのは7~8月ではないかという疑惑が出ていた。
一方、健康異常説が提起された後、80日以上外部の活動を公開しなかった金正日が3日おきに写真を公開したのは、自身の健在を誇示するための動きであると分析されている。特に、同通信が金正日の行跡を報道した5日はアメリカ大統領選挙の投票が行われた日で、米朝関係を念頭に置いた行動ではないかとも推測されている。
国家安保戦略研究所のイ・ギドン責任研究委員は、「金正日は倒れるまで現地指導を活発に行っていた」と述べ、「(隠遁が始まった)8月14日以前に状況を戻して、健在を誇示するために、今後もこうしたやり方で現地指導を進めるだろう」と予想した。
世宗研究所南北朝鮮関係研究室のチョン・ソンジャン室長は、「2日に公開された写真で、金正日の健康について新たな疑惑が提起されたため、これを払拭するための意図があるようだ」と述べ、「外部的な効果はないかも知れないが、対内的に住民の動揺を阻むために年末まで現地指導の報道を続けるだろう」と予想した。
通信は第2200部隊を視察した金正日が、軍事訓練を直接見た後、「人民軍を必勝不敗の革命武力として、一層強化、発展させるために、指針になる綱領の課業を提示した」と紹介した。
また、金正日が第534部隊直属の部隊を訪問して軍事訓練を参観して、「無敵の軍力を堅固にする基本的な方法は、戦闘政治訓練を強化することということを肝に銘じて、絶えずこの事業に一次的な関心を向けなければならない」と言ったと伝えた。
同通信は、金正日が健康異常説が出る前の6月13日にも、この部隊傘下の食料工場を視察したと報道している。
