人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮の米の価格が高騰する春窮期を控えた3月初め、北朝鮮の市場と総合市場の米の価格が下方安定の動きを見せており、注目される。こうした現象は90年代の半ばの食糧難が始まって以降初めてのことだ。

デイリーNKが最近、北朝鮮国内の米の価格を調査した結果、地域ごとに多少差を見せているが、おおよそ800から900ウォン代の価格であることが分かった。

去年の10月から200ウォン程度下落した価格だ。去年の南側の対北支援の中断と、大規模な水害が重なり、今年の初めに大規模な食糧難が予想されるという、外部社会の憂慮をものともしない現象だ。

3月初め、清津市場では米1キロが900ウォンで取り引きされている。咸興は750ウォン、平壌と黄海南北道地域は700ウォン代だ。去年の10月の核実験直後、北朝鮮の米の価格は1000ウォンから1100ウォンだった。

北朝鮮の本格的な春窮期は4月から始まる。去年生産された米と雑穀が徐々に底をつき始め、米の需要が増加するのに比べて、市場の流通量は減少の傾向を見せるからだ。したがって2月に入ると、本格的な春窮期を控えて、食糧の価格が上昇するのが一般的だ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮での安い価格は市場の流通状況をそのまま反映する。米の価格が下方安定の動きを見せるのは、米の供給に特に支障がなく、近い内に高騰現象が現われないと予測されるためだ。

こうした現象が現われる最大の原因は、中国からの米の供給が緩やかに成り立っているからだという指摘だ。北朝鮮の市場で米の需要が増加すれば、市場の商人たちが販売量を増やして適切に対応しているという。これは中国との貿易が活発で米の搬入も円滑に行われているからだというのが現地の反応だ。

北朝鮮の大量ミサイル打ち上げ以後、韓国の対北支援は中断したが、中国を通じた北朝鮮政府の食糧の輸入が増えたことも、米代の安定の動きに大きな影響を及ぼしていると思われる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

去年の10月9日の核実験以後、北朝鮮政府は収穫期が近付く状況でも10月に7423トン、11月に3910トン、12月に3928トンなど、10月以降、15261トンの食糧を中国から輸入したと、統一部とKOTRAが明らかにした。統一部はこうした北朝鮮の食糧の輸入は極めて異例な現象だと分析した。政府の食糧の輸入の増加は一時的ではあるが、北朝鮮の食糧難を緩和させる可能性がある。

また、北朝鮮の去年の食糧生産量は、一部の憂慮と例年の水準と大きな差がないとの観測もある。世界食糧計画(WFP)と韓国農村振興庁によれば、今年の北朝鮮の食糧生産量の見込みは430万トン水準だ。だが、春窮期に食糧の価格が今のように下方安定の動きを維持する場合、市場の需要に十分対処できるほどの食糧の供給が成り立つという分析も可能だ。

去年の大規模水害によって食糧の生産量が大きく減少したため、北朝鮮の住民も食糧難を憂慮して、買いだめ熱風が吹いたと、脱北者たちは予測している。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

更に、6カ国協議の2・13合意以後、外部の食糧支援が再開されるはずだという期待が増し、米の価格の下方安定の動きはしばらく持続する見込みだ。外部社会の今年の春窮期の大規模食糧難の予測は、北朝鮮の現実とは大きく隔たったものであるという指摘は避けられないという声も出ている。