国連のウィティット・ムンタボン北朝鮮人権特別報告官が23日、北朝鮮政府に対し、強制送還された脱北者に対する処罰と公開処刑を中断することを要求した。
ムンタボン特別報告官はこの日、国連総会の人権委員会で北朝鮮の人権について報告した後、記者団に「（北朝鮮政府が）この数年間、送還された人たちに対して苛酷な制裁をしたという報告を受けた」と述べ、「脱北者を処罰しないことは、それほど大変ではないだろう」と主張した。
更に、北朝鮮の人権の短期的な改善案として、公開処刑の禁止や個人に対する侵害の禁止と、海外から強制送還された脱北者に対する処罰の禁止、食糧をはじめとする生活必需品に対する接近の許可の強化及び、国連とその他の人権活動家に対する積極的な協力を提示した。
また外国人、特に日本人拉致被害者に対する解明と、北朝鮮の人権実態を調査するため、特別報告官の訪朝の許可などが必要だと求めた。
ムンタボン特別報告官は更に、長期的には刑務所の改善と司法体系の強化などによる司法体系の現代化、そして農業の改善を通じた食糧の確保の必要性などを訴えた。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、食糧難が外部に知られることを阻むために、携帯電話や長距離電話の使用を禁止した事実を指摘し、民間と政治の権利が深刻に侵害されていると指摘した。
更に、宗教の集会には保衛部の要員が参加し、動向を報告して集会活動を見張るために、偽装宗教家がいるとも明らかにした。
北朝鮮人権特別報告官については、3月にスイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会の本会議で、任期を延長する決議案が多数決で議決されている。