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北朝鮮政府が昨年の12月、国境地域の農場員の生計型不法越境を防止するため、彼らに優先的に食糧を配給していたことが確認された。

北朝鮮内部の消息筋は28日、“咸鏡道会寧のソンnク農場、オボン農場、チャンヒョ農場で、去年の12月に収穫量のうち、農場員らに配給する食糧を100%、優先的に配給した”と述べ、“この間、農場員には軍糧米と愛国米(国家に捧げる米)を除いた食糧を配給していたが、今回初めて農場員らに優先的に配給した”と伝えた。

消息筋は“配給された食糧はとうもろこし70%、白米30%であり、とうもろこしは皮が付いたままで、米は脱穀しておらず、もみ殻が付いていた”と言い、“皮まで含まれていても、配給の基準量100%に達し、農場員らは非常に驚いている”と付け加えた。

北朝鮮政府が軍糧米などを控除せずに、農場員らに配給の基準量の全量を優先的に配給したのは、1990年代の食糧難以後初めてだ。

この間、北朝鮮は食糧の収穫高が多くても少なくても、政府に納める軍糧米や愛国米を差し引いて食糧を農場員らに配給してきた。軍糧米や愛国米をまず納めるため、収穫高が少ない場合、農場員は厳しい食糧難に襲われた。

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消息筋によれば、北朝鮮政府は昨年の11月に、‘国境地域の農場員に対する食糧の分配を、国家の基準量によって進行し、農場員らの不法越境及び不法行為を前もってするように’という指針を会寧市に伝達した。 これを受けて会寧市は、農場員らに優先的に食糧を配給したという。

農場員らは“とうもろこしの穂の心と皮を除けば、実際に食べることができる量は分配量の60%水準であり、米の場合、食べることができる量は80%程度”と指摘しながらも、“過去に、農場の収穫高の40%ほどを愛国米、軍糧米として控除したのと比べると、実際の分配量は平均30%程度増えた”と説明した。

しかし、分配量は増加したが、配給の過程での’横領’の現象は変わらなかったと消息筋は伝えた。

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農場責任書記、作業班長、班長らが、中間で食べることができる米ととうもろこしを横取りし、不足分をとうもろこしの皮や心、もみ殻で埋め合わせているという。

去年の12月に農場員らが分配を受けた量は、1年分の食糧にして、とうもろこし70%、米30%の割合で、1人当り最大320キロ、最小250キロであった。扶養家族の分け前としては、小学生に70キロ、中学生には120キロが配給され、夫婦が農場員の場合、それぞれが分配を受けた。配偶者が農場員ではない労働者の場合、配給からは除かれ、配偶者が障害者、患者の場合、中学生の基準120キロをもらった。

しかし、農場員らは配給された食糧も今年の7月までには不足してしまうと訴えている。農場員は“去年の9月から12月まで必要だった食糧を、農場であらかじめ借りて食べたため、これを控除したら食糧不足の悪循環は絶えない”と打ち明けているという。

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一方、会寧地域の農場は‘稼動時間’と‘努力’を合算する方法で、農場員らの‘生産寄与度’を算出し、農場員の分配量を決めた。‘稼動時間’は実際に農場で働いた時間を意味し、‘努力’は労働の量と難易度を意味する。

‘稼動時間’と‘努力’を合算して、1日2.0点が最高評点で 、1.8点や1.5点を受けることもある。‘稼動時間’が長くても、‘努力’が少なくて簡単な仕事をする場合、評点が低くなり、‘稼動時間’が短くても、‘努力’が沢山必要とされる辛い仕事をした場合、評点が上がる。

農場員らの‘生産寄与度’は、集団農場の班長が毎日評価して作業班長に提出し、春期の田植え、夏季の草取り、秋期の収獲時には、大部分の農場員が1日2.0点を獲得する。しかし、冬季の肥料作り、春期の苗床作り、収穫期以後のとうもろこしの茎や稲穂の運搬などに対する評点では大きな差が出る。

このように、1日2.0点を満点として計算し、1年の労働日を 280日と計算し、食糧の分配が成り立っている。1年の労働日である280日とは、月3回の農場の休日(毎月1、11、21日)、国家の休日(金日成、金正日の誕生日)、冬季の軍事訓練などを除いた日である。