北朝鮮は、2013年に発表した「6・28方針」に基づいて、一部地域で『分組管理制度(※)』を試験的に導入しているが、あらかじめ決められたノルマが達成できずに不足分を現場で補うケースがあるとデイリーNKの内部情報筋が伝えた。
両江道の内部情報筋は4日、「昨年から試験的に『分組管理制度』が導入された。家族や親しい農民3〜4人が一組になって3000坪の土地を与えられて農作業をしている。昨年は、干ばつもなく、肥料の供給も安定していたので、ノルマで決められた70%を上納しても、一年の食糧事情も解決し喜んでいた」と伝えた。
しかし、今年は肥料の安定供給もなく、干ばつの影響によって坪あたりの収穫量は減った。それにもかかわらず国に治めるノルマ(70%)は変わらない。収穫量が少なければ大きな負債(借金)を抱え込むことになる。
「ノルマを達成できなければ『負債』として文書を作成しなければならない。『分組管理制度』の評価は是々非々だが、もっと自律を保障すべきという意見も出ている」(先述の情報筋)
一方、副業地を所有している企業所(会社)や、小さな土地を持つ個人は、農業経験者を雇ってやはり7:3の分配形式で運営する。ただし分組管理制と違うのは、事前に収穫量を決めず、一坪で生産されている収穫状況を見ながら、互いに合意する形になっている。