北朝鮮の政権樹立60周年(9・9節)を迎え、金日成と金正日に続く‘3代世襲’が成功するか、大きく注目されている。
金日成が、62歳だった1974年に金正日に対する権力世襲を公式に発表した点と比べると、今年66歳になった金正日の後継者選定は遅れているともいえる。だが、最近金正日の健康悪化説が再度浮上し、後継者指名の時期が繰り上げられる可能性があるという予想も出ている。糖尿病と心臓病に苦しんでいると言われる金正日は、最近公開された姿でも片足をひきずるなど、老衰の症状が明らかだからだ。
現在、金正日の息子には映画俳優出身の成恵琳(2002年死亡)との間に生まれた正男(37)と、平壌の万寿台芸術団舞踊家出身の高英姫(2004年 5月死亡)との間に生まれたジョンチョル(27)、ジョンウン(25)がいる。
‘金父子世襲’については、金正日の実の妻の役割を果たしているキム・オクと、組職指導部のリ・ジェガン第1副部長が、次男の金ジョンチョルを後継者に立てようとする動きを見せているといった話や、金正男は海外にいるが、中国などの後援を受けて国内で復帰するはずだという話など様々なシナリオが提示されている。
だが、3代世襲に対する国際社会と北朝鮮国内の世論が非常に否定的という点と、金正日の息子のうち、現在まで明らかに後継者として有力な候補に上がっている人がいないという側面から、北朝鮮の権力世襲問題を速断することはできないという指摘も出ている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の後継者問題と関連し、国内の専門家たちは‘3代世襲’の可能性については互いに異なる意見を出したが、金父子世襲が実現した場合、一番有力な後継者は次男の金ジョンチョルであると共通して挙げている。
統一研究院のチョン・ヒョンジュン研究委員は、“世襲体制について国際的な世論が非友好的という点から、北朝鮮がどうしても負担になるだろう”と言い、北朝鮮の3代世襲の可能性は低いと見ている。また、“金正日の息子たちには現在、北朝鮮の危機を打開するに値する能力がない”と述べ、“代りに軍部出身の中から第3者を立てるだろう”と予想した。
国家安保戦略研究所のイ・ギドン南北関係研究室長は、“金正日が突然死亡した時も、3代権力世襲は実現するだろう”と予想している。イ研究室長は“金正日の息子ではない第3者が権力を取るならば、権力争奪の過程を経て、内部の爆発が起きる可能性があるということを、権力エリートたちもよく知っている”と言い、“金正日の息子を最高指導者の位置に上げ、自分たちの現在の既得権を行使しようとするだろう”と語った。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面世宗研究所のチョン・ソンジャン南北韓関係研究室長も、“北朝鮮の人民の間で3代世襲に対する拒否感はあるが、ご存知のように北朝鮮体制は人民の意思に従って動く体制ではない”と述べ、“金正日が3代世襲すると言ったら、誰も反対できないだろう”と話した。
専門家たちが金正日の一番有力な後継者として、次男であるジョンチョルを挙げている理由は、‘長男の金正男と比べて相対的に傷や欠陥が少なく、神秘感を維持している点’(チョン・ヒョンジュン)、‘国際感覚があり、穏健な性格という点’(イ・ギドン)’、‘組職指導部に勤めて実際に後継者授業を受けているという点’(チョン・ソンジャン)などだった。
これ以外にも専門家たちは皆、2012年に金正日が権力承継を断行すると予想している。2012年は金日成誕生100周年にあたる年で、金正日の年齢も70歳になる。北朝鮮では、5周年や10周年にあたる年を‘節目の年’と呼び、盛大に記念している。また、北朝鮮は今年新年の社説で、‘2012年に強盛大国の扉を開く’と宣言している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方、専門家らは後継者をめぐり、北朝鮮国内で権力の暗闘が起きる可能性は低いと分析している。金正日の絶対的な権力と統治スタイルを誰よりもよく知っている側近たちは、後継者についてむやみに議論しようとすらしないということだ。
イ・ギドン室長は“北朝鮮には猫(金正日氏)の首に鈴(後継者議論)をつけることができる人がいない”と述べ、“金正日が後継者議論自体を禁止したため、後継者問題に関する論議や勢力化は不可煤hと指摘した。
チョン・ソンジャン室長も“高位幹部たちも、金正日の機嫌を伺って行動するため、金正日が息子に見せる関心によって、それに合わせて行動するだけであり、前に出ようとはしないだろう”と予想した。