タイで活動している‘北朝鮮に拉致された人々を救援する会(ARNKA)’の主催で、13日から17日までタイのチェンマイ市内にあるスワンドーク寺院で、‘タイ人拉致被害者パネル展’が開かれている。
展示会初日の13日には、およそ100名の市民が写真展を観覧した。写真展にはタイの拉致被害者に関する講演を聞いたチェンマイ大学の学生も多数参加した。
タイのメディアも高い関心を見せている今回の写真展では、北朝鮮によるタイ人拉致被害者の拉致の経緯や拉致の目的、拉致被害者家族の救援活動、韓国と北朝鮮の違いなどについて展示された。
また、タイ人拉致被害者アノーチャー・パンチョイさんのお兄さんが、妹の満54歳の誕生日(2008年7月12日)を迎えて書いた手紙も展示され、観覧客の目頭を濡らした。
ARNKAの海老原智治代表は、“タイ社会のタイ人拉致問題への認識は従来より少ないままです。タイ政府による対北朝鮮交渉も全く進展が見られません”と述べ、“パンチョイさんの誕生日に合わせて北朝鮮によるタイ人拉致問題の一層のタイ社会への発信を目指して′パネル展を行うことにしました”と説明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面[以下はアノーチャー・パンチョイさんのお兄さんの手紙の抜粋]
“妹よ、おまえがこの家を出て以来、お父さん・兄さん・家族全員が、おまえの帰りをずっと待っていた。おまえがいつ帰ってくるのかと、お父さんは27年間待ち続けた。そして、お父さんが亡くなってわずか3ヶ月後に、『北朝鮮に拉致されたタイ人がいる。名前はアノーチャー』と言うテレビニュースを見ることになった。兄さんは、このニュースを見るとすぐにテレビ局に駆け込んだ。報道の人が家にやってきて、本当にそのタイ人がこの家の家族にいるのかを確認しに来た。家族全員が「本当にいる」と答えた…..おまえが家を出てから、兄さんは毎日毎日本当に心配のし通しだった。私の気持ちは晴れない。なぜなら、どこに行ってもおまえのことを考えるからだ…..妹よ、兄さんと家族は30年間おまえの帰りを待って、あとどれだけこの苦しみに耐えればおまえに会えるのだろうか”