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最近北朝鮮の国境地域で、殺人や強盗などの事件が相次いでいる。当局は、荒っぽい方法で対処はしているものの、犯罪が収まる気配はない。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると今月8日、道内の普天(ポチョン)郡で、運び屋の仕事をしていた夫婦を殺害、金品を奪った罪で、男性2人が銃殺刑に処された。2人は殺害された妻のきょうだいで、銅線など鉄以外の金属を集め、中国に密輸する仕事で生計を立てていた。

また、先月28日には道内の三水(サムス)郡番浦里(ポンポリ)で、除隊軍人1人が銃殺刑に処された。除隊軍人は、農場員2人と共謀し、過去2年に渡って協同農場所有の牛5頭を盗み、農民が飼っていた犬2匹、豚2頭を盗み市場に売り払った罪だ。共犯の農民には、教化刑(懲役刑)2年が言い渡された。

銃殺刑は一種の見せしめとして行われ、住民に恐怖を与えて犯罪を抑え込もうとするものだが、情報筋はあまり効果がないとして、その理由を次のように説明した。

「最近、銃殺があまりにも多いので、皆あまり驚かない。銃声を鳴らしても、重犯罪を犯す人が減らないので、司法機関の関係者も一般住民も心配している」

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1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の時代には、犯罪者をその場で撃ち殺すという銃殺刑以上に荒っぽいやり方で治安を安定させようとしていたが、それから10年ほど経っても治安状況に改善は見られないようだ。

(参考記事:強盗を裁判抜きで銃殺する金正日流の治安対策

北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)では今月6日、妻殺害と死体遺棄容疑で慶興(キョンフン)郡に住むパク容疑者(49歳)が逮捕されたと、現地の情報筋が明らかにした。

血染めの麻袋から出てきたものは…

パク容疑者は昨年10月10日、酔って妻のパク・ケスクさんとけんかになり、鈍器で殺害、遺体を自宅のキムチの瓶を収納している地下貯蔵庫に遺棄した。

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パク容疑者は前妻と離婚後、パク・ケスクさんと再婚したが、妻の行動に異常な猜疑心を持ち、夫婦仲が悪かったという。殺害後に容疑者は、所轄の保安署(警察署)に妻が失踪したと届け出た。保安署は、パク・ケスクさんに中国在住の親戚がいることから、脱北したものと見て、捜査を行わなかった。

ところが、パク容疑者の犯行は隣人により明るみに出ることになった。

パク容疑者の近所に住んでいたある男性が、容疑者が寝静まったすきを見て、家に忍び込み、空き巣を働こうとした。地下貯蔵庫の鍵を壊して中に入ったところ、血に染まった麻袋を発見した。

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この男性は、豚肉だと思い込み自宅に持ち帰り、封を切ったところ、中からパク・ケスクさんの遺体が出てきたというものだ。腰を抜かしたこの弾性は、すぐさま保安署に通報し、パク容疑者は逮捕された。殺人犯の家に空き巣に入った男性の処遇については明らかになっていない。

「数年前から殺人が増えて、住民は動揺している。皆が生き抜くことで必死で、人を人とも考えない世の中になってしまった」(情報筋)

(参考記事:北朝鮮北部で相次ぐ女性の殺人、誘拐事件