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韓国に定着してからアメリカに密入国した脱北者の困難な生活ぶりが数日前、’脱北者同志会’のウェブサイトに掲載され、脱北者の社会がざわめいた。

文章を作成した脱北者は、韓国で160万ウォン程度の月給をもらえる職場で働き、政府が提供した賃貸アパートに住んでいた。医療保険1種の恩恵も受けた。その後、脱北者はアメリカンドリームを夢見てアメリカ行きを決心し、財産全てを整理してメキシコを経由してアメリカに密入国したが、彼を待っていたのは言葉の障壁、不法移民者、長期間労動とわずかな賃金だけだった。

この脱北者は文章で、つかの間でも幸せだった韓国生活に対する懐かしさと、アメリカの現地で密入国者として経験する困難を率直に打ち明けた。そして、アメリカ行きを夢見る脱北者たちに、アメリカに対する正確な情報を持って判断するようアドバイスした。

“多くの脱北者たちがアメリカへ来て、恥ずかしさからアメリカに来てよかったと表現するが、韓国に比べれば言葉もない。私はどうせ帰ることもできないから、こんな有様で死んでも生きても進まなければならない運命だが、他の人たちは少し選択の幅が広がればよいと願っている”

文章を書いた脱北者の国内での生活を調べたら、彼と家族は、先に入国した脱北者出身者たちとアメリカ移住ブローカーの言葉だけを信じて、アメリカ行きを選んだと確認された。同じ北朝鮮出身者が、アメリカ移住自体が成功を保障するかのように誘惑し、その言葉を信じて気経について行ったのだ。

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ブローカーたちはアメリカやイギリスへ行けば脱北者に対する特別な優待政策があると言う。しかし、これは嘘だ。 韓国に定着した後、第3国に入国すれば、韓国人密入国者になるだけで、特別な対策はない。

一瞬にして不法移民者の身の上になり、全ての財産を失う。時折難民申請が受け入れられる場合があるが、その確率も非常に低い。難民認定されるといって、生活が大きく変わることはない。

ブローカーたちはアメリカに住んでいる脱北者たちが住む様子を取った映像を直接見せて、アメリカ行きをけしかけている。もちろん映像は操作されたものだった。

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イギリスに行った脱北者たちも境遇は同じだ。イギリス政府に亡命の申請をして、亡命の承認を受けて定着し、生活を始める場合もある。しかし、英語が分からずに、週当り70パウンド(韓貨10万ウォン)の生計費を受けて暮らしている。彼らは各国の難民たちに与えられる居住地で多くの国の人々と一緒に生活している。

脱北者たちはこのような嘘にだまされて、1千万ウォン以上のお金をブローカーに支払ってカナダ、メキシコを通じてアメリカに密入国している。

もちろん、アメリカに住んでいる脱北者の中で困難を乗り越えて就職して、安定を取り戻している人々もいる。しかし、絶対多数の脱北者たちは韓国での生活を偲んで一日一日を送っている。

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彼らの大部分は韓国を去る時、賃貸アパートを返還して、手元にお金も残っていない。賃貸アパートを残して行く人々は韓国に帰って来ているが、そうでない人々は意欲も出ない。

更に大きな問題は、彼らが韓国を去る時、期待した特別な待遇は全て偽りということと、言葉の障壁のため、就職さえ容易ではないという事実を、韓国にいる脱北者たちに話さないという点だ。

自分たちの選択が過ちだったのを打ち明けにくいと言う。自尊心が承諾しないというのだ。これも正しくない姿勢だ。

しかし今も‘アメリカンドリーム’を夢見てアメリカとイギリスに行こうと試みる脱北者たちが少なくない。数人の言葉だけを信じて移民や亡命を決心するより、もう少し正確な情報を調べて決心してからでも遅くない。

また、アメリカ行きを試みている脱北者たちは、韓国に定着して暮らす、多くの脱北者たちに向けられる非難の世論も意識する必要がある。韓国行きは自由を求めて死線を越えた勇気ある行動と思えるが、アメリカに密入国する姿から、脱北者全体が韓国への適応に失敗した集団とみなされる。

結局、脱北者たちはいつも良い条件さえ与えられればよい集団というイメージを持たれれば気が済むのか問いたい。実際は難しいが、韓国で適応した後、堂々と移民に行く人々が、韓国の脱北者社会にも現れなければならないだろう。

脱北者1万人時代だ。まず、韓国の脱北者自身の定着と発展が何よりも重要だ。これに加えて北朝鮮にいる家族と兄弟、同胞のためにも韓国社会に模範的に定着するという使命感も、切実に求められている。